ムーミンの生みの親、トーベ・マリカ・ヤンソンは1914年彫刻家の父ヴィクトル・ベルンハルト・ヤンソンと挿絵画家の母シグネ・ハンマルステン・ヤンソンの長女として生まれました。
14歳で雑誌に挿絵と詩が掲載され、15歳には母シグネが関わっていた風刺雑誌『ガルム』に挿絵が掲載され、以後専属アシスタントとして廃刊される1953年まで描きました。
その後スウェーデンのストックホルム美術工芸専門学校、ヘルシンキのアテネウム美術大学、パリへの留学と美術の道を進みました。帰国後、24歳でフィンランド芸術協会ダカット金貨賞を授与されるなど、画家として着実に歩みます。
世界30数ヶ国で出版され愛され続けるムーミン・トロールは、この『ガルム』の挿絵の一部に1943年に登場しました。そして1947年には、雑誌『現代』に「ムーミントロールと世界の終わり」を連載、1953年から59年には『イブニング・ニューズ』誌にムーミン・コミックを連載します。
ムーミン・シリーズは全部で9話。
物語はヤンソンが自ら考え、子どもらしいあどけない心を持ったムーミンに、様々な出来事が旅の途中などで起こります。
穏やかで理想的な象徴にみえるムーミン一家ですが、その内には揺れ動く葛藤があり、ふりかかる困難を乗り越えて、より強固な家族となっていきます。
物語に描かれている冒険を愛するわくわくした気持ち、ムーミンとその家族や仲間たちの知恵とユーモア、人の温かさは、文化や言葉の違いを越えて世界中で愛されています。
トーべ・ヤンソンは1965年に「ムーミン谷の夏まつり」「ムーミン谷の冬」などで国際アンデルセンメダル委員会から賞状を授与され、1966年に国際アンデルセン大賞、1976年に最高位の勲章プロ・フィンランディアメダル授与、1978年にオーボ・アカデミー大学名誉文学博士号授与、1995年にはプロフェッサーの称号が与えられました。そして、2001年、惜しくも86歳で他界しました。
本展は、ムーミン全9話の中から、タンペレ市立美術館・ムーミン谷博物館が所蔵するトーベ・ヤンソンのムーミンオリジナル原画、習作、スケッチなど約180点と、ムーミン谷博物館に展示され門外不出だったムーミンの立体模型(日本初公開)を展示し、ムーミンの魅力と全貌をご紹介いたします。
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