日本の茶道において、桃山時代から大変珍重された「唐物茶碗」と呼ばれた天目茶碗は、「建盞(けんさん)」または「禾目(のぎめ)天目茶碗」あるいは「兎毫盞(とごうさん)」と呼ばれた建窯の茶碗が最も有名ですが、河南系の北方窯で焼かれた「油滴(ゆてき)天目茶碗」や、吉州窯の「玳玻(たいひ)天目茶碗」「木の葉(このは)天目茶碗」なども忘れる訳にはゆきません。
しかし、10世紀から13世紀にかけての宋朝では、茶の種類や産地を当てる「闘茶」と呼ばれる貴人たちの高尚な遊びの中で、官窯の「青磁茶碗」が最高級品として、皇帝貴族は競って造らせたのです。この時代のお茶は黒褐色をしておりましたので、茶の色が綺麗に見えるには青い青磁茶碗に限るといわれるのも良く理解できます。
今回の館蔵品展では、未公開作品を中心に、27点の茶碗を出品し、茶道同好者はもちろん、中国陶磁の愛好者にも見ごたえのある、企画展と致しました。特に「汝官窯(じょかんよう)青磁」や「南宋官窯青磁」の茶碗は今日まで秘密のベールに包まれて、未だ観た事が無いとまでといわれた、幻の茶碗です。
粉青釉茶碗(哥窯)
柿天目茶碗(吉州窯)
禾目天目茶碗(建窯)
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