元永定正(1922? )は、三重県伊賀市の出身。
郷里で洋画家濱邊萬吉に師事して油絵を始め、1952年に神戸に移ってから抽象作品を描くようになります。
1955年、元永は吉原治良が主宰する「具体美術協会」に参加します。
以後、「具体」は元永の活動拠点となり、50年代後半から60年代半ば頃にかけて絵具をキャンバス上に流した抽象作品によって国内外での評価を固めました。
1966年に渡米してアクリル絵具やエアブラシと出会った元永は、それまでのスタイルを大きく変え、1970年頃から明るい色彩によるユーモラスな形が画面に登場するようになります。
ファニーアートとも呼ばれる作品によって、元永は抽象絵画のイメージを一新して多くの支持を得ます。
《ZZZZZ》
1971年
京都国立近代美術館
元永は、絵画だけでなく、立体作品、椅子やタピストリーのデザイン、絵本、パフォーマンスなど幅広い領域で活動を続けてきました。
近年では絵画作品と立体作品、映像等を組み合わせたインスタレーションなども行って注目を集めています。
今回の展覧会は元永の半世紀を越える活動の集大成となる個展です。
初期から現在までの代表作を通じて元永の画業をたどるとともに、オブジェやインスタレーション、作品の背後にある構想デッサンなども加えて構成し、元永定正の全貌に迫ります。
《赤と黄色と》
1963年
三重県立美術館
〒514-0007 三重県津市大谷町11
TEL:059-227-2100(代表)
http://www.pref.mie.jp/BIJUTSU/HP