1974年京都市に生まれた宮永愛子は、現在開催中の国立新美術館「アーティスト・ファイル2009」での展示や、先週発表された第3回shiseido art egg賞の受賞など、今まさに注目を浴びる期待の作家です。
本展で宮永は「時」を複合的に提示します。
仄暗い会場の中に浮かぶひとつの長持(ながもち)。
その中には目覚めと眠りが潜んでいます。
目覚めている「時」と眠っている「時」。
眠りは目覚めを内包し、その静謐は常にゆらいでいます。私たちはそこでどのような夢を見ることになるのでしょうか。
時計の時針よりもゆっくりと変わりゆく私たちもまた、失われ、かつ結晶を結びながら固有の時の流れの中に漂っています。宮永の作品の前に立つ私たちは無意識に自らと「永遠の痕跡」を重ねつつ、しばしその動きを止め小さな眠りにつくのです。
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