武士の身を守るために製作された甲冑は、胴を中心に幾つもの部分防具で構成されます。なかでも、頭部を守る兜は特に重要視され、独立した武具として、贈答品や信仰の対象として扱われることもありました。
戦さ場における「もののふ」たちは、自身と一族の名誉のため一所懸命に戦いましたが、命を懸ける以上、誰よりも目立ち、華々しくありたいと願いました。兜は、そういった武士たちの思いと美意識を表現するのに最適な武具でした。
今回の企画展では、日本甲冑武具研究保存会広島県支部の皆様の全面協力のもと、中世から近世にかけて製作された兜の優品約100点(重要文化財級を含む)を展示し、「もののふ」の美意識に迫ります。
兜の美しさをゆったりとご観覧いただくため、3階の総合展示室と1階の企画展示室の2室を設け、それぞれのコーナーで星兜や筋兜、変わり兜など多彩な兜を展示します。
高知県内では滅多に見られない兜を厳選する他、1階企画展示室の郷土コーナーでは、戦国時代の土豪が奉納した兜や、長宗我部氏・山内氏ゆかりの兜も展示する予定です。
高知県では過去に例がない「兜」の展示会。機能美とともに意匠の斬新さにも注目してください。
〒783-0044 高知県南国市岡富町八幡1099-1
TEL:088-862-2211
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~rekimin/