この展覧会が始まる頃はいつも通りだと、やっぱり桜とかすごい咲いてるんじゃないでしょうか、でも桜植えすぎでやばいと思うんですが。
個人的には、そういう象徴的なものよりも、色々と蠢きだす春に分があると思います。
この展覧会は個展なので、個人的に分のあると思っていることの肩を持って作れたらと思い刺繍しています。刺繍のストロークを測ってみると3 mm?235 mmというところでした。
この幅のストロークがくっついたり、はなれたり、かさなったりしながらぞわっとすればオッケーです。
伊藤 存
伊藤存は1971年大阪に生まれ、京都市立芸術大学美術学部で学び、関西を拠点に作品を発表してきました。
今回の個展は、これまで作り続けてきた布に刺繍を施した作品を中心とした最新作で構成しています。
最近の代表的な展覧会の一つとして、2008年にサンパウロ近代美術館にて国際交流基金との共催により行われた、「ライフがフォームになるとき:未来への対話 / ブラジル、日本」展が挙げられます。
そのカタログの中で、キュレーターの長谷川祐子氏は、伊藤作品の特色について下記のように言及しています。
結果として作品は見る者の既存の思考をゆるがせ、想像力を解き放つ力がある。一つの事象は多くの現象の連鎖の上に成り立っている。
それをどこまで関連づけて世界としてとらえるのか、無防備なまでに自己の意識を解放することで、これらをランダムにひろいあげる。
アニメーションからインスタレーション、多岐にわたる表現法を通じて、伊藤作品の豊かさのありようはその拡散性にある。
長谷川祐子『ライフがフォームになるとき:未来への対話 / ブラジル、日本』カタログp.89より
国内の美術館では、ワタリウム美術館で個展「きんじょのはて」を開催した2003年以降、森美術館の「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望 2004」や国立国際美術館「HYPERLINK "javascript:;"三つの個展:伊藤存×今村源×須田悦弘」(2006年)など、70年代生まれのアーティストを代表する注目の若手として、数々の企画展に参加してきました。
また横浜トリエンナーレ(2001年)や第11回インドトリエンナーレ(2005年)、2003年にミネアポリスの Walker Art Centerで開催された「How Latitudes Become Forms」展など、大規模な国際展にも数多く出品しています。
今年は本展を皮切りに、東京都庭園美術館の企画展(2009年7月18日?)、シドニー現代美術館の二人展(2009年7月28日?)で、次々と新作シリーズを発表致します。
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