1971年、東京に生まれたKINYAは、89年にスイスへ、翌年にはイタリアへ移住し、現在はミラノに在住しています。93年スクオラ・ポリテクニカ・ディ・デザイン・ディ・ミラノ・ヴィジュアルデザイン科を卒業。94年テラッチャ・ドーロに入賞(トリノ)、翌年サロン1°にてアドルフォ・ピーニ財団賞受賞を受賞(ミラノ)、98年第33回昭和会展日動火災賞を受賞しました。国内外での発表を重ねながら、99年にブレラ国立美術学院絵画科を卒業。ミラノを拠点に、国際的な活躍を果たしています。
本展では、「渡される命」が作品の通底するテーマとして描かれています。
命?「どんなかたちであれ、ずっと繋がり続けられ、関わり合い続けられていない命というものがなにひとつないということ」(KINYA)―
妻の妊娠、娘の誕生の瞬間、また娘の成長を見るなか日々感じていることが、強く影響しているものの、それは「現実には<ミルクオシッコオムツオサンポミルクウンチオムツオフロオムツミルクネンネ>という打ち寄せる雑然とした日常の波に揺られ、その姿をくらまそうとしている。」(KINYA)ものでもあります。
作家がその正体を求め、向き合い、描いた作品は、意識のさざ波のようでもあり、目を凝らしてじっと観ていると、いくつもの命が繋がり、満ちているように感じられます。
子供の成長を通して見え隠れする幼き日々のかすかな記憶を辿るように、またあるいは慎重に紡いでいるかのようにして描かれた作品群は、私たちにも安らかな鼓動を届けてくれることでしょう。どうぞご期待ください。
〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-16
TEL: 03-3571-2553