この度、日動画廊本店(東京・銀座)は、アートフェア東京2009@FORUM・日動画廊ブース(於:東京国際フォーラム/有楽町)にて、吉川龍(よしかわ・りょう)展を開催いたします。
1971年、栃木県に生まれた吉川は、東京藝術大学を卒業後、同大学大学院の修士課程美術研究科絵画専攻を修了。
2002年に第4回雪梁舎フィレンツェ賞展特別賞、翌03年に第21回伊豆美術祭IZUBI展優秀賞、第20回FUKUIサムホール美術展優秀賞、翌04年に第39回昭和会展優秀賞を受賞しました。
04年から05年にかけては、文化庁新進芸術家在外派遣制度によりイタリア・フィレンツェに滞在、フィレンツェのContempora Sutudioにて個展を開催、高い評価を得ています。
光と影の印象が心地よく記憶に残る吉川作品。制作過程は独特で興味深く、ガッシュやアクリル絵の具で、偶然性を生かした滲みやグラデーションなどの変化をつけるところからはじまります。それらは景色のシルエットとして残され、アクリル絵の具で空や空間が盛り上げられていきます。物理的には前に出ているはずの盛り上げられた空が、実際の絵では奥に感じられ、絵画空間に更なる魅力が加味されます。
シルエットは樹木や水、生き物となって現れ、作品が息吹きはじめます。「何が描けるか?」という問いをほどいていく過程で少しずつテーマが現れるという吉川。自らの作品と静かに対話をするようにして描く作家の姿が思い浮かぶようです。
光と影による空気の揺らめきや温度、そこに潜ませた景色にまつわる物語をテーマに描かれた、吉川龍の新作群。その包み込まれるような作品世界を体感し、どうぞお楽しみください。