・レセプション 2月20日(金)20:00-22:00
・アーティストトーク 2月20日(金)19:00-20:00
紫牟田は2005 年に単体のTORSOHOUSEを発表して以来、このモティーフを用いていくつもの作品を展開してきました。
TORSOHOUSEは内側の空洞とひとつの入り口を持つ、石膏で型取りされた小さな家のような作品ですが、それはその名が示す通り、家であると同時にトルソーでもあります。
しかし今回の展覧会で発表される新作は、一見これまでのTORSOHOUSE と同じように見えますが、正面の入り口は塞がっていて、そこにだまし絵のように入り口が描かれています。
そして裏に回ってみると、直方体の6面の壁のうち3面が欠落していることが分かります。
更にその開かれた内部空間は彩色によって影で埋め尽くされ、その影は外部に溢れ出しています。
ギャラリーの正面の壁には「Flesh Window」という平面作品が展示されます。
これはタイトルからもマルセル・デュシャンの「Fresh Widow」を参考にしていることを知ることができます。
それはキャンバスに描かれていますが、画面いっぱいに窓枠が描かれているのでひとつのオブジェと見ることもできるかもしれません。
そして向こう側の空間を見透すべきガラスの部分はやはり黒く塗りつぶされています。
この影はいったい何を表しているのでしょうか。
光と影、内部と外部の関係性を提示する紫牟田の作品は、複雑な意味が絡み合うことでvoid+の小さなギャラリー空間に大きな神秘、もしくはこの世界の根底にある原型を浮かび上がらせます。
「ユダヤ教では、神が人間のために世界を創造するにあたり、自らが収縮し、空いたスペースを人間に与えたことを『ツィムツム』というらしい。
それは神自身の内部に誕生した人間世界にとっての家である。
私たちは見る事によってその身体を延長する。
しかし同時に、見られ、収縮するのも身体である。
『TORSOHOUSE』とはそのような受動的身体であり、家である」(紫牟田和俊)。
紫牟田和俊 プロフィール
〒107-0062 東京都港区南青山3-16-14-1F
TEL: 03-5411-0336
http://www.voidplus.jp