オープニングレセプション:2009年1月9日(金) 19:00-21:00
ギャラリーでの作品発表としては今回がデビューとなる本展で、宮川はリフレクト=反転加工を施した写真作品を展示致します。
リフレクトという表現自体は単なる反転でしかなく、それ自体には元の風景を推測する視覚的なおもしろさ以外には新しさも見えません。
しかし反転の結果としての「対称」ということについてはどうでしょうか。
対称とは、「ある変換に関して不変である性質」で、永遠性や均一性にも通じる概念です。
建築や美術の世界でも左右対称は様式美、理想的な美として様々な時代に亘り用いられてきました。
対称という概念から派生する不変性、永遠性、均一性は、現在61歳のアーティスト宮川にとってどんな意味を持つのでしょうか。
個人的、社会的、または時間の経過や記憶の蓄積といった人生の「ある変換」をもってしても「不変」であるもの。
物理的には存在し得ない対称性や不変性を求めて、自身が撮り貯めたアーカイブから掘り起こした風景。
これらは憧憬の世界への入り口として、宮川のクリエーションの展開を示唆します。
▼作家コメント
膨大な実験作品の後に新しい旅がはじまった。
今回の作品で素材となった映像は、森羅万象が記憶に働きかけ、偶有性を感じられる青森、岩手、栃木、東京、奈良、京都、和歌山を3年かけて撮影、それを素材に、かねてからのテーマであった「時間と記憶の階層」をモンタージュで表現した平面作品である。
<作家プロフィール>
宮川一郎(みやがわいちろう) 1947年、京都生まれ。
父は日本映画界を代表するカメラマン故宮川一夫氏。 幼少より父の影響で視覚芸術を学ぶ。
1970年代から数千点におよぶ写真、オブジェ、絵画を制作。
hpgrp GALLERY 東京
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