本展では、世代も近く、今後の活躍が期待される若手アーティスト5名をピックアップ。
本展のタイトルでもある「SHADOWY TALE」は、作品に共通する要素である「あいまいな物語」を意味します。
不透明であり、また不確かな現代社会の中で制作を続ける彼らが描く世界は、ときに鋭く問題を切り取り、あるいは普遍的な郷愁や理想郷を出現させます。
自らの内から沸き起こる感情と、空虚な現実社会との距離感をそれぞれの方法で埋め、その過程で創造された「あいまいな物語」を受け止めつつバランスを取っているようでもあります。
唐木優 「gift」 2008
キャンバスにアクリル絵具、鉛筆 27.3×22.0cm
唐木優(1984年生まれ)は、緻密な絵画表現を得意とし、密度の濃い人物や静物などを描いて、その世界を構成します。
千ヶ崎慶一 「ゆきがっせん」 2008
パネルにアクリル 36.4×25.7cm
千ヶ崎慶一(1984年生まれ)は、今年に入りArt Student Exhibition 2008(ISE Cultural Foundation, NewYork)リサ・K・アーフ賞、MTV Best. Show. Ever. Best Video of the Week賞、平川恒太らと出品した多摩美術大学の芸術祭でファインアート賞を立て続けに受賞。
平面だけでなくビデオ作品にも取り組み、世界観を拡大しています。
寺島茜 「眠たい木曜日」 2008
キャンバスにアクリル 53.0×40.9cm
寺島茜(1980年生まれ)は、GEISAIで注目され、今年はトーキョーワンダーシード2008、群馬青年ビエンナーレ2008と入選を重ね、この10月末にスパイラル(東京・南青山)で開催されたウルトラ001でも紹介されました。
作品は、どこまでも穏やかで柔らかく物語を紡ぎます。
平川恒太 「genkidama」 2008
パネル、綿布にアクリル、油彩 80.3×65.2cm
平川恒太(1987年生まれ)は、未来美術家・遠藤一郎の「NATURAL HI !!」メンバーとしても活躍。すでに数多くの企画展に参画し、今回も同時期にワダ・ファイン・アーツ(東京・築地)でのグループ展に参加します。
平川の作品には、ストレートなメッセージが込められていることが多く、画面に展開する物語がそのメッセージをより深いところへと届けます。
伏黒歩 「One」 2008
キャンバスに油彩 31.8×41.0cm
伏黒歩(1977年生まれ)は、すでに重ねていたキャリアを離れ、新展開を果たしました。
自らの奥に潜む動機と、暗闇への憧憬に忠実になって、その世界を描いています。
新作を中心とした「SHADOWY TALE」。
注目の若手アーティストの作品に、どうぞご期待ください。
■出品作家 : 唐木優、千ヶ崎慶一、寺島茜、平川恒太、伏黒歩
■企画 : bambinart promotion
gallery ni modo
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