「森の勇者」 油彩 4F
この度、日動画廊では「松樹路人展」を開催いたします。1927年、北海道に生まれた松樹は、小学校教頭を務める父の影響で、9歳で石川啄木や宮沢賢治を愛読し、13歳で油絵を描くようになります。14歳になると家族と共に上京し、現在の都立青山高校に編入。この頃、フランチェスカやデ・キリコ、ポール・デルヴォーに惹かれ、 1944年に東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学、梅原龍三郎に師事します。50年に、独立美術協会展に初入選し、54年に独立賞を受賞。同展への出品を中心に、グループ展での発表を重ねます。
「窓(地平の華)」 100.0×80.3cm
1964年、過去55-63年に描いた大作10数点を自らの手で焼却、「赤の時代」と称された作品群と対峙した末に、69年「白の時代」と称される作品群を発表。翌70年に、第5回昭和会展にて昭和会賞を受賞します。73年には安井賞にて佳作賞を受賞し、77年に武蔵野美術大学教授となります(97年3月まで、現在名誉教授)。そして、81年に第4回東郷青児美術館大賞を受賞、87年には第5回宮本三郎記念賞を、91年に芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。
北海道に生まれ、幻想と抒情を描く松樹路人。芸術に対する真摯な姿勢は作品焼却のエピソードが物語っています。日本を代表する現代具象作家の孤高の作品群に、どうぞご期待ください。
「仮面の構図」 130.3×97.0cm
「表裏・私像」 130号
日動画廊
東京都中央区銀座5-3-16
TEL:03-3571-2553