潘星道 涛聲 53.0cm×45.5cm 墨、画仙紙
昨今、多様な絵画様式が華やかに展開されるなかで、“墨”の持つシンプルな強さとともに、絶妙で深い表情に富んだ表現が何より求められているような気がします。
ただ、今日の墨の表現は、滲みを前面に押し出した淡い、混沌とした雰囲気を醸し出す傾向が強く、確固たる現実感の把握や、現実を超越するような理想的世界観を描き出すといった、従来の墨画の魅力、墨の力というものを失っている様にも感じます。
そこで、今日、墨を主なる画材として、力強い絵画世界を構築しようとしている潘星道、阿部清子、西川芳孝という三名の日本画家の仕事から、真の墨の力というものを再発見したいと考えます。
潘星道(1958~ )中国・上海に生まれ、1988年に来日。以降、日展を中心に活動を続け、軍鶏を主なモチーフに力強い表現が評価を得ている。
阿部清子(1970~ )は個展、グループ展で活動。墨による硬質かつ明快な描線を駆使した人物像は、静かな表現ながら強いインパクトで観る者に迫ってきます。
そして西川芳孝も個展を主な舞台として、展覧会場の全壁面に大胆な墨のドローイングを展開する等、墨による表現の可能性を広げています。
今回の出品は、潘が50号をはじめ10号大の作品を中心に十数点。阿部は80号に10号前後を7~8点、西川芳孝は“鳥”をテーマに6号大の作品を壁面に十点余を自由に配し、大空をイメージ。
その他、各々がミニチュア作品も含めて、三人三様のストレートで強靭な墨の表現を追求します。
潘星道 プロフィール
阿部清子 プロフィール
西川芳孝 プロフィール
阿部清子 観得ているもの 墨
西川芳孝 鳥 6F 墨、顔料
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