▼出展作家
伊藤一洋、岩田俊彦、上野早智子、荻野僚介、渕沢照晃、双唾冷々、山口幸太郎
▼オープニングパーティー
展覧会初日9月5日(金)18:00から、出品作家を囲んでのオープニングパーティーを開催いたします。
青年には未来がある(アドルフ・ヒトラー)
7人の作家達がいる。
20代もいれば40代もいる。
既に国際オークションに名を連ねた者もいれば、修了展の一作しか作品を発表した事の無い者もいる。
幾つもの展覧会をこなした者もいれば、今回が初めての者もいる。
技法もバラバラ、作風も様々。
伊藤は「湯道」と呼ばれる鋳造時における言わば残材を素材に使い、抽象的、時に原始的なイメージのブロンズ作品を制作しているアーティスト。
その作品は技法と形態の両面から彫刻の魂を造り出している。
漆を平面の素材として使用する岩田は、日本の古典的なイメージを作品に取り込み、その大胆なデフォルメをグラフィカルな形で表現する。
古典と現代のシンプルな和合が、強烈ながら親しみやすい作品を生み出す。
ペインティングの上野は油彩という伝統的なマテリアルを、デジタル世代ならではの多層レイヤーに着地させる。
トラディショナルな印象さえ備えるその表面には、彼女の技法に対する確信犯的な自信が満ちあふれている。
シンプルな画面にこそ、高度な技術が求められる。
荻野の目の醒めるようなクリアな塗り分けには、毛先一本分にも満たない幅に込められる高度な集中力と、感覚だけでは処理されない丁寧な計算による色彩が盛り込まれている。
双唾冷々ーそうだひえびえ。
人を食ったようなアーティストネームの裏に隠されているのは、死をもって生を映す、命に対する真摯な態度。
海外オークションでも認められながらも、その製作に対する貪欲さは、一向に衰えを見せない。
真っ白な平面に細く黒く描き込まれる、迷いの無い緻密な線。
渕沢の気の遠くなるような作業には、人智を超えた力が働いているかのよう。
修行にも似ているであろうその行為から生まれ出た作品からは、目を離す事すら困難。
山口のアニメーションは、ユーモラスな虚無とも言うべきもの。
可愛らしさの裏に隠れた残酷さは、今や世界共通の表現基盤ではあるが、そこへの到達に虚無を持ち込んだ感覚は、是非を問わない未来への展望のシンボライズとも言える。
共通しているのは、彼らはこの美術の世界に於ける青年である、という事。
即ちは未来と可能性を秘めた存在であるという事。
レントゲンヴェルケは、閉塞の一途をたどる美術の世界に風穴をあける使命、その先鋒を彼らに託す。
Moeglichkeit-可能性あふれる作家達の競演にご期待下さい。
ラディウムーレントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
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http://www.roentgenwerke.com