ブルース・コナーを語る上では欠かす事のできない「ファウンド・フッテージ(Found Footage)」フィルムの傑作「クロスロード(CROSSROADS)」と「ルッキング・フォー・マッシュルーム(LOOKING FOR MASHROOMS)」の映像展示は、画廊において日本初の試みとなります。
「ファウンド・フッテージ」とは、現像所などで廃棄されたフィルムの断片を拾い集め再編集する手法で、撮影することから始まるという映像表現の常識を大きく覆しました。
すなわち、映像によるコラージュのことで、コナーはその先駆者として数々の礎を築き、我々が目にする今日の映像世界へ多大な影響を与えています。
本展では、1946年に行われた水爆実験“Crossroad Project”の記録映像が機密扱いから外されたのを契機に、1976年に再編集された幻のフィルム「クロスロード」と、1959年から1967年にかけて、メキシコや全米各地を巡って撮影された膨大なフィルムを、テリー・ライリーのミニマルミュージックに合わせ、一秒間に24種類ものイメージで綴った「ルッキング・フォー・マッシュルーム」といった歴史的価値の高い実験映像を常時上映中です。
さらに、展覧会の中核をなす作品として1960年制作のアッサンブラージュ作品を本邦初公開しています。
廃材や壊れた人形の一部、鳥の羽根からストッキングまでを緻密に組み合わせ制作した初期の重要作品は、現在では欧米においても希少とされ、世界有数の美術館にも収集されています。
また、唯一のコンプリートエディションである写真5点シリーズや、本展のタイトルともなっているリトルグラフからコラージュ、ドローイングまで、ブルース・コナーの多岐に渡る創作活動を一堂に紹介しています。
ブルース・コナーは、今年7月7日74年の生涯を閉じました。彼の逝去と同時に各国のメディアが「ビートジェネレーション最重要作家」としてその業績を報じました。
本展は生前、作家とともに企画されたもので日本においてブルース・コナーの作品に触れる大変貴重な機会となるため、12月20日までの長期開催の運びとなります。
ミヤケファインアート
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