<展覧会趣旨>
私たちは目に映る世界にのみ生きているのでしょうか。
もしかすると私たちのすぐそばにもうひとつの世界がひそんでいるのかもしれません。
物語やファンタジー、SFで語られる「パラレル・ワールド」へ、ユーグ・レプと10人の日仏アーティストが私たちを招待します。
ユーグ・レプは1964年、カンヌ生まれのフランス人アーティスト。
巨大化した植物の中で自分が昆虫のように小さくなったかのような錯覚を覚える《エデン》や、ユーモラスな霊たちが映し出されては消える《白い精霊》ほか、本展では映像やネオンなど多彩なメディアを使った彼の代表作を一堂に展示。
不可思議でありながら、暖かみにあふれたユーグ・レプのイマジネーションの世界が展開します。
また彼が共感する10人のアーティストたちは日仏の現代美術シーンを代表する実力派揃い。
日常感覚を変容させる彼らの多彩な表現はパラレル・ワールドが無限の重なりを持って存在していることを感じさせてくれます。
本展では彼らの特徴的な作品に加え、食材を使ったインスタレーション作品で知られるミシェル・ブラジーほか、ジャック・ジュリアン、名和晃平、内藤礼らが新作を制作します。
現代美術の楽しさが詰まった本展は、見る人すべての心を解放し、新しい世界を知覚する感性を与えてくれることでしょう。
日仏交流150周年の記念事業。
ユーグ・レプ 《エデン》 2003年 Photo: Hugues Reip
名和晃平 《PixCell[Coyote]》 2004年 撮影:木奥惠三 courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
<見どころ>
●現代アーティストが贈るメッセージ
「パラレル・ワールド もうひとつの世界」はフランス人アーティスト、ユーグ・レプによる現代美術の驚きと楽しさを体験させる新しい視点からの展覧会です。
さまざまな手法と素材を使ったインスタレーションが中心で、お子様連れのご家族や普段現代美術に触れる機会の少ない方々など、誰もが新鮮な発見ができることでしょう。
●フランス現代アートの最新動向がわかる
ロラン・フレクスナー、アラン・セシャスらのベテランから、フランスで最も活躍したアーティストに贈られるマルセル・デュシャン賞を2003年に受賞したマチュー・メルシエをはじめ、ミシェル・ブラジー、フランソワ・キュルレなど1960年代生まれを中心とした注目のアーティストが結集。
紹介される機械の少ないフランス現代美術の中でも、現実をイマジネーションの世界へと変換するユニークな感性と斬新な表現を楽しむことができます。
●注目の日本人アーティスト
独自の世界観で国際的な活躍をする内藤礼、曽根裕、名和晃平。
本展は現在最も期待を集める3人の作品をまとまって見ることができる貴重な機会でもあります。
特に内藤礼の新作インスタレーションは、幅4.5メートル、奥行き9メートルの広大な空間を使ったもので、展覧会のなかでもハイライトのひとつとなっています。
東京都現代美術館
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