「アムステルダム・南教会」 30S
1952年、熊本県に生まれた歳嶋は、76年に東京藝術大学油画科を卒業し、79年日洋展に入選。以後、日洋展で受賞を重ね、96年日展に入選し、98年には、第33回昭和会展昭和会賞を受賞、同年、日展特選を受賞しています。
2000年、日動画廊(東京本店、福岡店、名古屋店)にて昭和会賞受賞記念展を開催。ヨーロッパの風景を主題とし、リアリズム絵画とは一線を画した「気の移ろい」をとらえようと試みた作品群は、具象洋画壇でも話題となり注目を集めました。
以降、日動画廊各店にて隔年で巡回個展を開催する中、04年には再び日展特選を受賞。翌05年に日洋展にて井手宣通賞を受賞し、日本を代表する具象絵画作家の一人として活躍しています。
「リュクサンブール宮」 30S
大胆な色面構成で描かれた作品は、美しく穏やかでありながら、描かれた光景からは深い存在感が放たれています。
それは、描かれた景色を包む気の移ろいを感じ、気の奥深くに入り込み、自然との一体感が表現されていることで生み出されるものなのでしょう。
1984年よりヨーロッパの風景に取り組み、97年から6年にわたってヴェニスにアトリエを構え、パリ、南仏、ベルギーなどを取材、今に至る根幹を築いた歳嶋洋一朗。
近年は南フランス、地中海、アドリア海の港などに主題を求め、水の都、ヴェニスの寺院、空と海、運河における気の移ろいに関心を持ち、その表現にさまざまな試みをなされて来ました。
「シテ島を望む」 30S
本展では、アムステルダムを中心に、パリ、ヴェニスなどを描いた新作をご紹介します。歳嶋が感じ、描き込んだ気の移ろいに、どうぞご期待ください。
日動画廊
東京都中央区銀座5-3-16
TEL:03-3571-2553