子供の頃、それが当たり前だと思っていた世界
光が差し込む懐かしの生家にタイムスリップ
untitled ,2000(printed in 2008),c-print,ed3,180.7×120cm
フォトグラファーとして幅広く活躍する木寺紀雄が、自身のプライベート部分にレンズを向けて制作した作品10余点を発表いたします。
2000年に撮影され、今まで大事にあたためられてきた今出展作は、自身の実家を被写体にし、フィルターを通すことでどこか距離を持ちつつも、暖かく見守る視線や思いやりが伝わってくる作品群となっています。
昔、おばあちゃんの家で見たような懐かしい磨りガラスや砂壁のリアルな質感と、舞台劇のセットの様に作られたキッチュさが絶妙に混在し、身近な光景や日用品がユニークかつドラマティックに変貌を遂げます。
木寺作品に共通していえることは、目に見えない部分、画面上に漂う空気感を大切にしているところ。
言葉を超えて繋がる異文化コミュニケーションのように、目新しさや、突飛なアプローチにこだわることなく、感情で繋がる素直な作品を制作し続けています。
untitled ,2000(printed in 2008).c-print,ed10,35.6×27.9cm
今回の展示構成では、部屋(展示室)の中に窓やドアが存在するような空間が広がります。
窓から覗くのは、景色、当たり前の室内の風景、とるに足らない雑貨、または形のない匂い、それから記憶を喚起させられるもの、時にそれは思い出の残像とも捉えることができるかもしれません。
等身大に近いドア、さながら「どこでもドア」のような作品を目の当たりにすると、木寺作品の世界にするりと入り込んだ錯覚に陥ります。
それはまるで、忘れていた何かを思い出すような、懐かしくてやわらかい感情がこみ上げてくるようです。
木寺は、今年の3月にNew Yorkで行われたコンテンポラリーアートフェア“Bridge art fair ew-york’08” にひきつづき4月のアートフェア東京2008に出品。
また、2007年に初写真集「meisje」をミナペルフォネン、デザイナーの皆川明氏の協力のもと発行、各紙で話題となる等、今後の作品発表が注目されるアーティストです。
YOKOI FINE ARTで初個展となる今展は木寺の原点ともいえる作品発表となります。
▼写真集出版
今展に併せて木寺紀雄写真集「jicca」を販売いたします。
6月20日発売予定・価格未定 上製本/フルカラー40P
発行:プチグラパブリッシング タイトルロゴデザイン©佐野研二朗
木寺紀雄 プロフィール
YOKOI FINE ART
〒106-0044 東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F
TEL:03-6276-0603 FAX:03-6276-0604
http://www.yokoifineart.jp/