<展覧会概要>
オーストラリアを代表する画家エミリー・ウングワレー(1910頃-1996)は、アボリジニ独自の世界観を背景に、美しく自由で革新的な作品を生み出しました。
西洋美術の歴史とはまったく無縁な環境にありながら、その作品は抽象表現主義にも通じる極めてモダンなものとして、世界的に高い評価を得ています。
長さ8メートルに及ぶ代表作《ビッグ・ヤム・ドリーミング》をはじめとする120点余りの作品を通して、エミリーの芸術の全容を日本で初めて紹介します。
《カーメ ―夏のアウェリエI》 1991年 アクリル、カンヴァス 302.0cm x 136.8cm
Private Collection (c)Emily Kame Kngwarreye. Licensed Viscopy 07
<エミリー・ウングワレー(1910頃-1996)について>
オーストラリア中央の砂漠地帯で、アボリジニの伝統的な生活を送りながら、儀礼のためのボディ・ペインティングや砂絵を描いていたが、1977年からバティック(ろうけつ染め)の制作をはじめ、88年からはカンヴァス画を描きはじめる。
その後亡くなるまでのわずか8年の間に3千点とも4千点ともいわれる作品を残した。
90年以降はシドニー、メルボルン、ブリスベーンで個展を開催。没後も97年にヴェネツィア・ビエンナーレのオーストラリア代表に選ばれ、98年にはオーストラリア国内を巡回する大回顧展が開催された。
国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2