この度ZENSHI では、4月5日(土) から5月2日(土) まで小川泰個展「この世の果てとMother-Fucker」を開催する運びとなりました。
「青姦」 2007年 acrylic on paper, 58.0 x 76.0 cm
小川泰は「人間」をモチーフにした作品を制作していますが、そこで描かれる人間は複数の眼をもっていたり、角が生えていたり、あるいは鳥の顔や体を有していたりと、かろうじて人間の輪郭をもっているものの通常私たちが人間の顔であると認識しているものとは大きく異なります。
さらに原色をふんだんに用いた鮮やかな色彩によって、その描かれた人間のもつケモノ性がより一層むき出しになります。
格闘家の不自然なまでに鍛え上げられた筋肉、平然としている人の面の皮の下に潜む欲望うずまくケモノ性。
小川はこういった私たちが日々目にしているものの背後に潜む「異常」なものを豊かな想像力を駆使して顕在化させます。
小川によって暴きだされたケモノ性は醜く、決して心地よいものではありませんが、単に想像上の怪物であると片付けられるものではない、どこかで自分の内側に潜むケモノ性が反応するために、小川の作品には不思議と惹きつけられるのです。
「とある夏の日 畜生」 2007年 acrylic on paper, 69.2 x 50.0 cm
挑発的なタイトルがつけられた本展では、切り抜かれた顔のペインティング・シリーズを発表します。
原色と切り抜かれた紙によって描かれる対象は奥行をもたず、しかし、その薄っぺらさがゆえに、その裏側にある人間の持つ野蛮さや暴力性が表面化してくるのです。
小川はこれまでZENSHI でのグループ展や、昨年韓国で開催された「ヘイリ・アジアプロジェクトII 日本現代芸術祭」において好評を博してきましたが、本展がZENSHI での待望の初個展となります。
是非この機会にお出かけ下さい。
小川 泰 プロフィール
ZENSHI
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