中西 良展
2007年11月26日(月) - 12月4日(火) 10:00 - 19:00(土 - 17:30、最終日 - 16:00) 日曜休廊
日動画廊本店
「空気の感触」 中西良
山肌を覆う木々の葉は海からの強風に煽られ波うち、閃く。
遠望すればただ山塊が見えるだけだがその実、静止しているものはない。
海辺に出てそこに煌く漣のひとつひとつがどんなかたちをしているのか
その動きを一々捉えようとすれば筆も眼も到底追いつくことは出来ない。
しかし山はそこに、海はそこにある。
木々のざわめきや潮騒が、磯や土の匂いが、ときには眼に見える光景よりも鮮烈にそれを伝えてくれる。
捉えようとすればかえってとらえられないものがあるのだ。
絵描きは、記憶に残った光景の残滓を手懸りに、その時感じた空気の感触を
取り戻そうとしてもがく。
「月光」 80S 麻布に石膏地・油彩
1964年、長野県上田市に生まれた中西は東京藝術大学に入学。在学中の85年に安宅賞を受賞、同大大学院に進学し89年に第24回昭和会展で昭和会賞を受賞しています。
92年に大学院博士後期課程を満期退学しイタリアに渡り、翌年ミラノのブレラ国立美術学院(Accademia Brera)に入学。メキシコ渡航などを経て2000年にAccademia Brera を修了後、03年に帰国しました。国内外で多くの個展開催・グループ展参加を重ね、高い評価を得ています。
「心象の刻と光」(1996)、「記憶の断片に」(1997)、「山廻る風」(2000)、「色の感触」(2002)、「時の匂」(2006)、個展に冠せられたタイトルからも中西が描こうとしている世界が伝わってきます。
自然の音だけに支配されたとき訪れる静寂、そこにある確かな息吹。
中西良が描く新作作品40余点、ぜひご高覧ください。
なお中西 良展は名古屋店でも開催予定です。
名古屋日動画廊:2007年12月12日(水) - 12月21日(金)
日動画廊本店
東京都中央区銀座5-3-16
Tel:03-3571-2553