山本桂輔展
"豊壌"
2007年9月29日(土) - 10月20日(土) 日・月曜、祝日休廊
12:00 - 19:00
小山登美夫ギャラリー
【作品紹介】
山本桂輔はペインティングとドローイング、また木彫作品を制作しています。
作品では、木や草花、キノコ、小さな妖精のような人影などが、有機的な曲線に巻き取られながら、ひとつのフォルムとしてつながっていきます。
平面作品は不思議なバランスで矩形に区切られ、それぞれの色面は、それ自体で花や昆虫などに見えたり、或は背景の空に見えたり、大きな森の中に隠れている小さな動物を探すように、私たちの視線は画面の中を自由に動き回ります。
彫刻作品もまた、それ自体が森の一部であるかのような、イメージの広がりを持っています。
初期には、油絵の具でペイントされた楠の木にマッチを埋め込んだ、全てが燃えてひとつになることができる素材のシリーズが制作されていました。
身近なモチーフを具体的に取り上げていた初期と比べ、昨今の作品は全ての対象が溶け合ってしまったかのような、より複雑な構図を持っています。
「絵を描くことは、底のない世界をさまようこと。それを見てしまったから、絵画からもう抜け出ることはできない」という作家の言葉どおり、彼の作品で重要なのは描かれる対象ではなく、目に見えないものまで含めた、不確かな世界の断片であるようです。
【この展覧会について】
本展では、高さ2メートル近くの木彫作品のほか、新作ペインティングを5点展示いたします。
展覧会タイトルとなる『豊壌』は、作品を作る上でも、また毎日の生活においても、多くのことを吸収して肥沃な土壌となるべく、日々努めている作家の言葉です。
最近の試みのひとつである巨大な木彫作品は、様々なモチーフが渾然一体となった、彼自身の精神的な土壌そのものであると言えるかもしれません。
″Untitled″, 2007 oil on canvas53×41cm
? Keisuke Yamamoto, 2007
【作家プロフィール】
山本桂輔は、1979年東京都生まれ。
2001年に東京造形大学彫刻科を卒業後、同大学研究生として2003年まで在籍。
木彫を専門に制作してきました。現在も東京を拠点に活動を行っています。
小山登美夫ギャラリーでは、2004年Project Roomにて行われたグループ展「Field of Dreams」に出展後、2005年に個展を開催して以来、2度目の個展となります。
来年には、デンマークのギャラリーHelene Nyborg Contemporaryにて2度目の個展を行う予定です。
小山登美夫ギャラリー
〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2-7F
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