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ベトナムではフランスの植民地時代に伝統的な漆工芸と西洋絵画が融合し、漆絵という独自の絵画ジャンルが発展しました。
現在も多くの画家がこの漆絵に取り組む中、タィン・チュオンは詩情豊かな独自の絵画世界を展開し、ベトナム内外にて高い評価を得ています。
水牛と戯れて過ごした穏やかな少年の日々の想い出。幼い頃より画家に憧れ、しかしながら青春時代の多くを戦火の中で過ごさざるをえなかった氏の作品には、平和への深い祈りが込められているように思えます。
「満月の下で」 2005年、漆/箔/ウッドパネル、120x100cm
2004年以来Art-U roomでの2度目の個展となるこの度の展覧会では、2005年以降に制作された近作を中心に約20点を展観します。
艶やかな漆の光沢の中に留められた幻想的な絵画世界。どうぞご高覧ください。
タィン・チュオン略歴
1949年ハノイ郊外、ハ・バック生まれ。
文人で絵画にも造形の深い父の影響で幼い頃より絵を描き始め、後にハノイ美術大学に入学。
ベトナム戦争が激化する中、66年より8年間を軍隊で過ごすが、工兵として戦地を転々としながらも兵士や戦場のスケッチを続ける。
戦後文芸誌「ヴァン・ゲー」の首席イラストレーターに就任。80年代末に始まるドイ・モイ(開放政策)と共に一躍世界の注目を集め、現在ベトナムを代表する画家として内外で作品を発表している。
Art-U room
東京都渋谷区神宮前5-51-3 ガレリア3F
(東京メトロ表参道B2出口より徒歩3分、渋谷方面に向かい無印良品の角を右に入る)
Tel:03-5467-3938