現在、ベルリンを拠点にする島袋は、1990年代初頭よりサイトスペシフィックなプロジェクトやパフォーマンスを中心に世界中の様々な場所で活動してきました。
ある場所を訪れ、その土地の人々が忘れていたような逸話や、その場所に特有の可能性をみつけることを出発点に、人々、時に動物をも巻き込んだプロジェクトや作品を制作します。
今回出品予定の「片方の眉毛を剃ってヨーロッパを旅した」(1991)、「贈り物: 猿のための展覧会」(1992)など、詩的でユーモアあふれる作品は、コミュニケーションの新しい可能性を示唆すると同時に、人間がより豊かに生きていくための新しい価値観を提案します。
本展覧会では、日本未発表作品も含んだ1990年初頭からの代表的な作品を紹介。海外での発表の機会が圧倒的に多い島袋の、今春に水戸芸術館で開催された「夏への扉 - マイクロポップの時代」展での展示に続く、貴重な機会となることでしょう。
旅するアーティスト、島袋の航海図の一端をこの機会に是非ご高覧ください。
SHIMABUKU
Swansea Jack Memorial Dog Swimming Competition 2003
Glynn Vivian Art Gallery, Swansea
あるひとつの目的地に行くにも、たくさんの方法があるということを提案したいのです。
もし私がアーティストでなかったら、多分観光ガイドになっていたと思います。
(島袋道浩 2003年「スウォンジー・ジャック・メモリアル・ドッグ・スウィミング・コンペティション」カタログ、ジョナサン・ワトキンスとの対話より。 英文からの訳)
料理、スポーツなども含め本当にいろんなことがら、日常生活のあらゆる局面での美術の可能性について考えたいと思っています。
そしてそれがどんなメディアによって作品になるかは私にとってあまり重要なことではありません。ただ何か美しいものが見たいのです。それがどんな形を取ろうと。そして形さえなかろうと。
(島袋道浩 2005年、ブラウンシュワイグ芸術大学、客員教授就任時のステートメント。英文からの訳)
SHUGOARTS
シュウゴアーツ
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