『安齊重男の私・写・録(パーソナル・フォト・アーカイブス)”1970 - 2006』
2007年9月5日(水) - 10月22日(月) 10:00 - 18:00 火曜休館
国立新美術館
1970年から今日まで、東京を中心に現代美術の現場を写真で記録してきた安齊重男の個展が開催される。
本展では、安齊氏が私・写・録(パーソナル・フォト・アーカイブス)と呼ぶ写真、約3000点を一堂に展示する。
“私・写・録(パーソナル・フォト・アーカイブス)”
安齊重男は、今回の展覧会のタイトルとして、“私・写・録(パーソナル・フォト・アーカイブス)” という言葉を考え出した。
これには、「私」的な視点で「写」し取った現代美術の動向の記「録」こそ、自らの写真の特徴であるとの意味が込められている。
安齊重男《ヨーゼフ・ボイス、朝日講堂、東京、1984年5月30日》
Josepy Beuys, Asahi Kodo, Tokyo, May 30, 1984 ©ANZAI
資料的価値と芸術的価値の二面性
安齊の写真はふたつの価値をもっている。
ひとつは、美術家との親密な関係の中から生まれたポートレイト写真がもつ芸術的価値であり、いまひとつは、今日では見ることができない作品や場所、亡くなった美術家などを収めたドキュメント写真としての資料的価値。
この芸術的価値と資料的価値の二面性が、安齊重男の写真の大きな特色だと言えるだろう。
安齊重男《三木富雄、作家スタジオ、東京、1973年10月18日》
Tomio Miki, Artist's studio, Tokyo, October 18, 1973 ©ANZAI
安齊重男が1970年から今日まで30数年にわたり、日本の現代美術の最先端の動向と伴走しながら撮り続けた圧倒的な数の記録写真は、美術が多様化、国際化に向けて激しく移り行く様をひとりの人物の視点を介して、生々しく追体験できるだろう。
同時代を知る世代はもちろん、当時を知らない若い世代にぜひご覧いただきたい。
■撮影時のエピソードから現代美術の見方、感じ方まで、本人が作品を前に語る!
会期中、毎週土曜日の午後2時から、会場にてアーティスト・トークを行ないます。
これまでの30数年間の歩みを7回に分け、写真を撮り始めた当初から今日まで時代を追いながら、撮影時のエピソードや現代美術の見方、感じ方などについて、安齊重男自身が写真を前に語ります。
連続アーティスト・トーク 「で、思い出すままに現代美術」
9月 8日(土) - 第1回「アーティストからアート・ドキュメンタリストへ」
9月15日(土) - 第2回「ヨーロッパへ」
9月22日(土) - 第3回「日本の現代美術と海外」
9月29日(土) - 第4回「80年代の作家との共同作業」
10月 6日(土) - 第5回「ギャラリーから都市へ」
10月13日(土) - 第6回「そして90年代へ」
10月20日(土) - 最終回「国際展へ - 横浜トリエンナーレ、越後妻有アートトリエンナーレなど」
最終回のみ特別ゲスト:村田真氏(美術ジャーナリスト)
いずれも午後2時から会場内にて。聴講は無料ですが、本展の観覧者が対象です。
■ 大学生とのワークショップ「アートまわりのおしゃべり - 感じたこと、聞きたいこと」
安齊重男氏が、大学生を対象に対話形式のワークショップを行ないます。
事前申し込みが必要です。日時や申し込みの方法など詳細は、8月1日(水)から、国立新美術館
ホームページに掲載します。
URL:http://www.nact.jp/
■ 担当研究員による解説会
9月17日(月・祝)、10月14日(日)、いずれも午後2時から講堂にて。聴講は無料ですが、入場には本展の観覧券が必要です。
国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2
TEL:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
URL:http://www.nact.jp/