彷徨/ Wonder 山本伸樹 + 山口亘
YAMAMOTO Nobuki + YMAGAGUCHI Wataru
2007年6月7日(木) - 6月16日(土)
アートギャラリー閑々居
データは末端の感覚器官が送り込んできます。無差別に捉えた刺戟のすべてを送ってきます。
生きているかぎりデータは連続して入ってきます。ログアウトすることなく死ぬまで続く脳の働きです。
脳は「表向き」を編集しながらも、データはすべて保存してあるんです。先祖代々のデータもあるらしい。
「他のアプリケーションでも使用出来るように保存しますか?」当然です。
最近、皆さんと共有出来る脳内アプリケーションが限られてきて、その中での「表向き」だけが世間に通る正解、という場面に多々遭遇します。
アートと呼ばれるモノの存在意味が、そこに在る。
「なーるほど・・・、」とか「えっ!」とか、日常使っていないアプリケーションの仕事に出会うと、保存したまま沈めてあったデータが浮かび上がって我ながらの新鮮さに驚くことになるんです。
そこで、毎日毎日、手ごたえのない細切れのデータが行き交う「予定調和」から、ちょっと外れていただく企画です。
どうも閑々居が藪のようになるらしい・・・・。藪漕ぎです。
DNAに刻まれた古い古いデータを、山本伸樹・山口亘コンビが得意の力仕事で蘇らせようというインスタレーションです。
葦原瑞穂の国の原野を彷徨した人々が、何を体感していたのか?
社会の構造だけが連綿する史学から切り替えて、自身の肉体に残る歴史(記憶)に気付いていただくキッカケになれば、と思っています。
失ってはいけない近過去の、父母、祖母祖父の体感をとどめる為に。