カロリーナ・ラケル・アンティッチは、1970年アルゼンチンのロザリオ生まれ。
現在はイタリアのヴェニスに暮らしながら制作活動を行っています。
彼女はこれまで南米やイタリアを中心に発表を行ってきましたが、2005年にItalian Youth Art Prizeを受賞し、第51回ヴェニスビエンナーレにて作品が展示されたのを契機に認知度も高まり、以降ニューヨークやロンドンでも個展が開かれるなど、現在国際的に最も注目を集めている若手画家の一人です。
アンティッチの作品の多くには、主題として思春期前の幼い子供たちが取り上げられています。
戦争ごっこに興じる細身の少年たち、自我の目覚めを感じさせる表情をたたえた女の子のポートレート。
アンティッチの作品には、子供の持つ純真さや初々しさだけでなく、意固地さや残酷性といった多面的で移ろいやすい感情の揺らめきが、大きめに取られた余白の中に繊細なタッチで捉えられています。
これらの作品の前に立つ時、大人たちは、遠く記憶の底に埋もれた子供の頃の自分自身と再会したかのような印象を受けるかもしれません。
「日の出を越えて-Beyond the Sunrise」と題された今回の個展では、小さめのキャンバス作品を中心に新作約12点で構成されます。
日本での初個展となる今回の展覧会、ぜひご高覧下さい。
Art-U room
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