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協力:データフォト
『composition des trains』
まわり道をするらしい
隣のマダムが私に伝える
QuimperからParisへ
足元で眠る犬
まだ列車は動かない
薮崎 めぐみ
本当のところ、時間も空間も無限に続いている。
それは始まりも終わりもない話しだ。
時間の長さや、広がりの大きさをどこかで切って、そこに単位を与えて基準としているのは単に便宜上の話だ。
時計の針は60進法を基に、基準とされる長さを正確に刻もうとする。
しかし、一時間という単位は世界共通の早さの一定の単位であっても、私達の実感はいつも一定にその長さ=早さを感知されわけではない。
ゲームや読書に夢中になっている時、欠伸を我慢する退屈な授業、恋人とすごす一時間….各々にその場面によって時間は固有の感じ方をもつはずだ。
空間においてもその広がりの実感は同じように心象の顕われ方で違ってくるはずだ。
来ない列車を待つ、時刻表の予定時間はとっくに過ぎているのに、こんな時、先きを急ぐ人は苛立ち、あてもない長旅の途中の人はこの時間も許容し…..同じ時、空間にいるのはずなのに各々はその人の数ほどに固有の時を持つ。
そしてそれらを取り巻く空気も同じに存在している。
そんな時、薮崎の写真は人が前提として持つ心象の条件を感じることなく
ただ、存在するその時の空気を、経つはずの時間を孕む空気、その空気を写真の中に写し込む。
いや実相として写るはずもない空気が薮崎の写真にはメインのように写し込まれているように思えてならない。
さらには、カメラも撮影者の存在もその空気に溶け込んで霧散しているかのように。
ただ、そこにある、そこにあった空気を感じてもらえば、、もしかしたら、私達もそこにとけ込めるかも知れない。
桐 羊三(UPフィールド ギャラリー)
■薮崎めぐみ megumi yabusaki プロフィール
静岡県生まれ
桑沢デザイン卒業
スタジオ経験後、フォトグラファー松尾幹生氏に師事
第17回 写真新世紀 佳作
Exhibition
'01 12 "ROOM" at Double Happiness Gallery
'02 02 Aoyama OFFICE
'03 01 Aoyama OFFICE
'03 11 Meguro OFFICE
'03 12 "another sunny day" at sign Gallery
'06 08 Aoyama OFFICE
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