「この庭に」雪がつもった庭 2006 (c)Yukiko Suto
ラムフロム・ザ・コンセプトストア(渋谷区上原)のギャラリースペース、GALLERY at lammfrommでは、2007年3月24日(土)から4月26日(木)まで、須藤由希子(すとう ゆきこ)が表紙と挿画を手がけた、梨木香歩(なしき かほ)の小説「この庭に 黒いミンクの話」(理論社 刊)の原画展を開催いたします。
須藤由希子は1978年、神奈川県横浜市生まれ。2001年に多摩美術大学を卒業。
2002年、挿画を描くコンペティションにて祖父江慎賞受賞。2004年、イラストレーション誌主催 ザ・チョイス入選、2004年度優秀賞受賞など、数々の受賞暦があります。
2005年に、トーキョーワンダーウォール賞を受賞し、翌年「トーキョーワンダーウォール2005」として、東京都庁の第一本庁舎3F南側空中歩廊にて、個展が開催されました。
須藤由紀子は、主に紙と鉛筆を用い、家、庭、植物、人物など、日々の暮らしにたたずむものや風景を描きます。それらは自分にとって、リアルな世界であり、基本となるところだから描くのだと須藤はいいます。須藤の描く作品には、わずかにずれたような構図構成と独特の距離感があり、それは、どこか懐かしい瓦屋根の家や、庭から溢れた草花など、なにげない日常の一コマの中に潜んでいる個性を引き立たせているかのようにもみえます。
「この庭に」みひらき 2006 (c)Yukiko Suto
今回、GALLERY at lammfrommでの展覧会では、児童文学や絵本の分野でも活躍する作家、梨木香歩の小説「この庭に 黒いミンクの話」のために須藤由紀子が描いた原画ドローイング全27点を展示、販売いたします。
夢と現実の間をさまよう梨木香歩の不思議な物語世界。
そのゆっくりとした時間の流れや情景、温度が見事に読み手に伝わるように織り込まれた、須藤のモノクロのドローイングは、ストーリーに絶妙な間を与えており、静かな短編映画を観たような感覚すらおぼえます。
物語から抜け出て、ギャラリーの空間に展示されるドローイングの数々は、観るもの一人一人に新たなストーリーを感じさせることでしょう。どうぞこの機会にご高覧ください。
協力:TAKEFLOOR 404 & 502
GALLERY at lammfromm
〒151-0064 東京都渋谷区上原1-1-21 山口ビル1F
TEL&FAX 03-5454-0450
http://www.lammfromm.jp