シュウゴアーツでは、ヤン・ファーブル個展「私の体で最高にセクシーな部分 (脳ドローイングと模型)」を開催します。
今回の個展では脳をモチーフにしたドローイングと脳をかたどった彫刻、また新作未発表の彫刻で構成されます。脳ドローイングは、2005年から制作を続けているシリーズで、今回はその中から25点出品されます。
カラフルな色鉛筆で描写された脳味噌は、ユーモラスに変容していきます。尻尾が生えたり、笑ったり、踊ったり…。
脳は人間の知性をあらわすものですが、同時に本能をつかさどる神経帯でもあります。この脳を人体の中で「もっともセクシーな部分」と称したファーブルは、理性からはなれた人間の真の姿を透視しているようです。
現代の我々が生きる高度に発達した資本主義、情報化社会では、中世の時代から現代まで理性や科学の進歩があったにも関わらず、人間についての新たなイメージは生まれてこなかったのではないか。
人間はいくら甲冑を纏おうとも、その幹にある生命の欲求からは解き放たれることは出来ないのではないか、ファーブルの作品は見るものの生理に訴えかけながら、問いかけるのです。
ヤン・ファーブル 私の体で最高にセクシーな部分(脳ドローイングと模型) 2005-2007
ファーブルは1958年、ベルギーのアントワープ生まれ。
アントワープ王立美術アカデミーで学んだ後、アーティストとしての活動を演劇と美術の境界を横断する広範な領域にわたり展開、ベルギーのみならず海外でも最も多才な前衛アーティストとして知られています。
代表的な作品として作家の曽祖父が執筆した『ファーブル昆虫記』の中に登場する一節「夜の動物たちが静まり、昼の動物たちが目をさます、その間の静寂――青の時間」にインスピレーションを受けて制作した青インクのボールペンによる作品群「青の時間」。また、昆虫を用いた彫刻作品で知られています。
92年にカッセル・ドクメンタ9展、2001年に第49回ヴェネチア・ビエンナーレに出品。日本では93年、水戸芸術館「アナザーワールド」展、95年ワタリウム美術館にて「水の波紋」展などに参加。
個展は2001年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館以来6年ぶりになります。また、日本の美術館では金沢21世紀美術館に作品が所蔵されています。
鬼才が放つ衝撃作を、どうぞこの機会にご高覧頂けますようお願い申し上げます。
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