EXHIBITION | TOKYO
風間サチコ(Sachiko Kazama)
「ディスリンピアン2021」
<会期>2021年10月30日(土)- 11月20日(土)
<会場> MUJIN-TO Production
<営業時間> 火~金:13:00-19:00 / 土日:12:00-18:00 月祝休
※ 11月4日(木)〜 7日(日)はアートウィーク東京参加のため開廊時間が10:00-18:00となります
無人島プロダクションでは10月30日より風間サチコ展「ディスリンピアン2021」を開催します。
本展は、風間が2018年に発表した幅6mを超える巨大木版画作品《ディスリンピック2680》から派生した作品による展覧会です。
展覧会のメイン作品となる《ディスリンピアン九軍神》で風間は、国の威信をかけ鍛え上げられた架空のアスリート9名を描いています。
九軍神とは、太平洋戦争開戦時のハワイ海戦(真珠湾攻撃)に参加し未帰還となった特攻隊隊員9名に与えられた称号として知られています。
銀箔に見立てられた薄いアルミに描かれた9人の戦士『ディスリンピアン九軍神』も、架空の都市主催のスポーツ大会・ディスリンピックに出場し、金メダル獲得の特命を国から託されたスーパー・アスリートたちです。
9軍神のうちの3点は《ディスリンピック2680》発表直後の2018年に制作されましたが、6点は今年のオリンピック/パラリンピック時期をはさんで制作されました。
「9秒台、もしくは死か…」そんな決死の覚悟で100M走に挑む〈両毛超特急〉をはじめ、体操の〈日出鶴丸〉、飛込みの〈不死山トビ子〉、水泳の〈海原回天〉、そして貴族でフェンシング選手の〈一突男爵〉など、選手の名前にもアスリートたちの覚悟の物語が込められています。
九軍神と呼ばれ、国の威信を背負わされた選手たちは、競技の結果次第で神のように崇められたり、生贄のようになぶりものにされます。
いくら頑張っても「金」にはなれない、薄いアルミに描かれた偶像たちの未来はあるのか、という想像の余地を残して描かれたアスリートたちの肖像。
個人の能力や自分の目標だけでなく国までを背負うということの重さと悲喜こもごもを、一見ユーモラスに描かれた選手たちから感じてもらえたらと思います。
また本展では、ディスリンピアン9選手とともに、鍛錬→成功の精神論を人間ピラミッドで表現したアルミ箔襖絵『人間富嶽』(2017年)も展示します。
その日の感染者数と金メダルの獲得数の増加が同時にメディアで報じられた2021年夏の狂想曲。そこにたしかに流れていた世の中の空気を思い出しつつ、ナンセンスなキャラクターたちをどうぞお楽しみください。
MUJIN-TO Production (無人島プロダクション)
https://www.mujin-to.com/
東京都墨田区江東橋5-10-5
tel:03-6458-8225