<会期>2021年3月2日(火)- 3月27日(土)
<会場> MEGUMI OGITA GALLERY
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
この度メグミオギタギャラリーではプロジェクトルームにて、田中福男ガラス展「擬態と変態」を開催致します。
理科学ガラスという透明度の高い耐熱性のガラスを使用して制作する田中は、ガラス工芸の専門学校で学んだ後、現在は「Topnoch(トップノッチ)」というブランド名で作品を発表しています。2019年2月に弊廊にて開催した土屋仁応彫刻展「祝祭」では、木彫作品のガラスの玉眼を担当し、白眼・虹彩・瞳孔によって見つめる瞳を表現しました。
高度な技術を要する理科学ガラスの技法研究と制作を続けた田中は、「インサイドアウト」と呼ばれる技法を用い、自由自在に可憐で繊細な作品を制作します。形を作ってからクリアガラスを被せるのではなく、棒状のガラスの外側に点で打った別のガラスをバーナーで熱し、それらが溶けて内側に入っていく過程で様々な模様に変化し、全体の成形と同時に作家のイメージする世界を生み出します。独特の色彩は、多彩な色ガラスと気化蒸着させた純金、純銀などの金属を複雑に重ねて作られるものです。
擬態(他のもののようすや姿に似せること)と変態(形や状態を変えること)は、変容としては異なる性質を持ちます。ガラスの動きから生み出される田中作品の模様は、いかにもそのように花の形を成します。その作品は雪の結晶や網目の葉脈、貝殻の螺旋、蜂の巣のハニカム構造など、人の手が加わることなくある法則によってこの世に存在する、自然的かつ普遍的な美を彷彿とさせます。「花をモチーフにしているというよりも構造を取り入れているので、…1つ1つ遺伝子を配置している錯覚に陥ることもある」と作家は言います。こうして無機質な理科学ガラスは、命を得た花のようにその形を変えていきます。
今展では、ペンダントトップやオブジェ等を大小合わせて約50点展示致します。2020年を境に大きな変化が求められる社会において、日々対峙している作品や制作を通した作家自身の「擬態」、さらにその先に作家が見据える全く新しい「変態」が深いテーマ性を持ち、鑑賞者に共感を与えることでしょう。田中福男ガラス展「擬態と変態」にぜひご期待下さい。
MEGUMI OGITA GALLERY(メグミオギタギャラリー)
https://www.megumiogita.com/
東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
tel:03 3248 3405