EXHIBITION | TOKYO
吉田志穂(Shiho Yoshida)
「Hallucination」
<会期> 2025年3月15日(土)- 5月10日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、Yumiko Chiba Associatesでは、吉田志穂の新作個展を開催します。吉田は、第11回写真「1_WALL」グランプリ(2014)、第11回 shiseido art egg 入選(2017)、第46回木村伊兵衛写真賞(2020-21年度)などを受賞しながら活躍の場を広げ、写真表現の可能性を追求してきました。
吉田は、デジタル、アナログ双方の、スマートフォンを含むカメラや、複数の印刷-出力装置や技術、デジタルな画像情報の操作、ネガなどのアナログな画像操作を幾十にも組みあわせ、変形し、増幅させることで、現代において写真とは如何なるメディアなのかを探ってきた作家です。昨年開催された個展「印刷と幽霊」(BUG)では、オフセット印刷機で複製された膨大な量のイメージを用いて空間を構成しました。
吉田の作品においてイメージは、カメラ、モニター、印刷機、印画紙を通過することで次第に胃経過していきます。そこでイメージは、度重なる変容によってイメージならざる怪物的なものへと突き進んでいくようです。吉田の作品では、そのようなプロセスの総体が〈写真〉として捉えられているのかもしれません。
AIが、現実には存在しない(その意味で幻影的かつ亡霊的な)情報を生成する現象を指す、「ハルシネーション」をタイトルに掲げる今展では、客観的な実在や事実から出発するはずの写真が、亡霊的、幻影的諸相と交差する様が捉えられます。新作と旧作を交えて構成される今展をぜひご高覧ください。
「ハルシネーション(Hallucination)」は、自然言語処理における「AIがもっともらしいが事実とは異なる情報を生成する現象」から引用している。大量の情報を処理する中でAIが”幻覚”を見るのだとすれば、カメラが見る幻覚はどのような形なのだろうか。写真とは、限りなく真実(理想)に近づけようとする「もっともらしい嘘」を作り上げる行為で守るように思える。その嘘を、私たちはどのように見ているのだろうか。
吉田 志穂
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイツ)
http://ycassociates.co.jp/
東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
tel:03-6276-6731