EXHIBITION | TOKYO
田名網敬一(Keiichi Tanaami)
「ナンシーの冒険 vol.2」
<会期> 2024年10月30日(水)- 11月16日(土)
<会場> 3110NZ by LDH kitchen
<営業時間> 水・木 11:00-16:00 / 金・土 11:00-17:00 日月火祝休
この度NANZUKA は、3110NZ by LDH kitchenにおいて、田名網敬一の個展「ナンシーの冒険 vol.2」を開催いたします。
田名網は幼少期に経験した戦争の記憶とその後に触れたアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映された、色彩鮮やかな作品で知られます。田名網のグラフィカルな原体験のひとつとして、アメリカ兵が持ち込んだアメリカのコミックブックのイメージ群が挙げられます。そうしたイメージ群に惹かれつつデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた田名網は、「60年代にアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインによるポップアートとの衝撃的な出会いを果たしたことをきっかけに、自身のうちに秘めたマンガや商業美術へのこだわりを活かせる表現を発見した」とのちに回想しています。
本展「ナンシーの冒険 vol.2」では、1938年にアーニー・ブッシュミラーによって発表され、日本でも戦後の朝日新聞で紹介されて人気を博したアメリカンコミック『Nancy』を題材にした絵画作品を3点展示いたします。『Nancy』シリーズは、田名網の芸術スタイルを体感できる近年の代表的なシリーズであり、田名網の原体験への冒険に鑑賞者を誘います。
第二弾の出展作品では、主人公ナンシーが空爆の様子を背景に食事をしたり、窓の外を眺めたりする日常の情景が描かれます。田名網は、死の直前に制作した作品に「DO NOT BOMB」の文字を刻み込んでおり、その作品には反戦の願いが込められていることがうかがえます(当該作品は国立新美術館での回顧展「記憶の冒険」にて2024年11月11日まで公開中)。世界各地で人々が戦禍にさらされる状況が続く中、改めて『Nancy』シリーズに目を向けると、田名網の平和への切なる願いが強く表現されているように思えてなりません。「戦争」と「ポップ」という、世界大戦以降を生きる人類に共通する二つのテーマによって、田名網の作品は今日的な問いを投げかけ続けています。
本展を皆様にご高覧いただけると幸いです。
3110NZ by LDH kitchen(3110エヌゼットバイエルディーエイチキッチン)
https://nanzuka.com/ja
東京都目黒区青葉台1-18-7
tel:03-5422-3877