EXHIBITION | TOKYO
今井祝雄(Norio Imai)
「白のイヴェント×映像・1966-2016」
<会期> 2016年3月5日(土)- 4月2日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
2016年3月5日(土)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku にて、今井祝雄の個展「白のイヴェント×映像・1966-2016」を開催いたします。
1964年に初出展、解散する72年まで具体美術協会の会員であった今井は、白のレリーフ作品を中心に、平面でありながらも空間や物質を意識させる美術的なアプローチを試みてきました。その一方で、高度経済成長に伴い発展する情報化社会に関心を寄せ、写真や映像等のメディアにも取り組んでいきます。
1966年11月に銀座松屋デパート8階で開催された「空間から環境へ」展は、全てが有機的に関連しあう(当時議論のテーマにもなった)環境デザインというコンセプトの基、美術、音楽、建築やテクノロジー等が融合したインターメディアな歴史的展覧会となりました。弱冠二十歳ながらこの重要な展覧会に参加をした今井は、白のラバースクリーンを電動で隆起・伸縮させ、そこにスライドプロジェクターでイメージを投影するという実験的なインスタレーション作品「白のイヴェント×映像」を発表します。このことは、それまで今井が具体で発表をしてきた白の作品と、具体解散以降現在も継続している映像メディアを使用した制作活動とが結びつく契機となりました。
本展では、当時のインスタレーションを一部刷新する形で再現致します。
「空間から環境へ」展の開催から50年の節目を迎えた今日、様々なジャンルをクロスオーバーする先鋭的作品を前に、私たちは何を見出すことができるのでしょうか。
尚、本展の開催に合わせ、今井祝雄、昨年今井が出展した東京国立近代美術館「Re: play 1972/2015−『映像表現 ’72』展、再演」の担当学芸員である三輪健二氏、本展出展作品のために今年になって撮りおろしたスライドの提供をしている鷹野隆大(写真家)の三者によるトークイベントを開催いたします。
■ 作家コメント
1966年、東京銀座の松屋で開かれた「空間から環境へ」展は、美術・写真・デザイン・建築・音楽など領域を超えた気鋭のメンバーが出品、当時20歳の私ならずとも刺激的な展覧会であった。そこで発表した拙作『白のイヴェント×映像』では、隆起運動を繰り返す1m角の白いラバースクリーン4面を田の字形に壁埋めし、そこに2台のプロジェクターでカラースライドを5秒ずつ連続投影したものである。
スクリーンの動きで歪み、呼吸する映像環境を企図したこの作品の場合、自ら撮った映像である必要はなく、そうした状況をつくってみたかった一言につきるも、その後、自らカメラを手にし、〈具体〉解散後は写真やビデオなどで制作する映像への端緒となる思い入れのある作品だ。
その折に同点出品者で写真家の大辻清司、東松照明氏から提供いただいたスライド・フィルムがこのほど見つかったのを機に、いま一度再現してみたくなった。とはいえ、それぞれ異なって動くスクリーンの装置「白のイヴェント」はアトリエに一つ残るのみで、また、すでに故人である両氏のスライドもすべてが揃っていない。そうであるなら、いっそ只の再現でないものにしたいと考えた。
折りしも、鷹野隆大氏の出会いから氏が撮り続けている何気ない(?)日常のスナップ「毎日写真」を加えて、再展示にとどまらない新たな展開となった。ちょうど半世紀を経て同じ東京で実現できることの感慨がある。
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツビューイングルーム新宿)
http://ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
tel:03-6276-6731