EXHIBITION | TOKYO
植松琢磨(Takuma Uematsu)
「nowhere − どこでもないところからの眺め」
<会期> 2016年10月21日(金)- 11月19日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
2016年10月21日(金)より、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku にて、植松琢磨の個展「nowhere − どこでもないところからの眺め」を開催いたします。
植松琢磨は、2010年にドイツの GALLERY Löhrl にて個展をし、本年10月には千葉市美術館にて展開されるプロジェクトの一人目の作家として個展を開催するなど、国内外で注目を集めています。
体の物質性と生命との関係をテーマに、人工的なさまざまな素材と自然物を自在に組み合わせたインスタレーションと動物のフォルムを使った造形作品は、一見相反しているけれども、その相互の関係性に見出されるゆるやかな繋がりは、これまでにないイメージを生みだし、生命の新たな可能性を表現してきました。
今回発表するビデオ作品では、映像という時間の要素が生命体と事物に加わり、それらの間で揺れ動く物事の境界に鑑賞者を誘いこみます。人と動物、人口と自然、意識世界と現実世界という境界を往還するなかで、今まで無縁に思われていた物事が網目のように繋がり、過ぎ去った未来にそうありえたかもしれない世界が提示されます。2年ぶりとなる個展に足をお運びいただければ幸いです。
尚、本展は NADiff Gallery での個展 “space colony” と同時開催となります。ヴァンジ彫刻庭園美術館の森啓輔氏に論稿を寄せていただいた作品集も発売を予定しておりますので、是非こちらも併せてご高覧ください。
■ 作家ステートメント
インスタレーションのような印象をつくりだす今回のビデオ作品は、幼い子どもがコウモリの真似をしながら遊んでいるシーンから始まります。幼い子どもの諸感情のゆるやかな蓄積とともに、鑑賞者は人形から、そこにはないはずの感情を受け取るようになります。そして、場面展開とともに、映像は様々な要素の混合物として展開されていきます。ここでは、映像というフィルターを通すことで、人間と動物、虚構と現実、自然と人工を分かつ明確な教会が存在しません。そして時間の経過とともに新たな関係性で結ばれた世界は、意識を超えた感情を呼び起こします。
本作品は、意識の主観的な性質は、科学的な客観性の中には還元することができないとしたら着想を得ています。また、映像における構造は、意識が作る集合体のイメージを自然物に重ね表現した2014年の彫刻作品「platform」と共通する考え方に基づいています。それは意識が自由に泳ぐプラットフォームのような映像作品への挑戦でもあります。
植松 琢磨
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツビューイングルーム新宿)
http://ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
tel:03-6276-6731