EXHIBITION | TOKYO
青山悟(Satoru Aoyama)
「永遠なんてあるのでしょうか」
<会期> 2024年10月9日(水)- 11月10日(日)
<会場> Mizuma Art Gallery
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
ミヅマアートギャラリーでは、10月9日(水)より青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」を開催いたします。
青山悟はシンガー社製の古い工業用ミシンを用いながら、現代社会における労働や資本主義の問題を示唆する作品を制作しています。
「創造を途絶えさせないことによってのみ、アートは時代を映す鏡たり得る」と語る青山は、この数年、新型コロナウイルスのパンデミックや世界各地で起こる戦争や紛争、またそれらが引き起こす分断などの社会問題に対し、批評性とユーモアを交えながら刺繍で常に表現し続けています。
今年4月に目黒区美術館で開催された、初の公立美術館での個展「刺繍少年フォーエバー」では、20年にわたる作家活動を総括した内容に加え、ほぼ毎日行われた公開制作のライブ感と変化し続ける展示空間が多くの観客を惹きつけました。
「刺繍少年フォーエバー」に続き回転される本展では、青山が近年取り組み続ける、急速にグローバル化する社会の中で埋もれていく「見えざるもの、消えゆくもの」を主題とした新作を展示いたします。
映像作品《The Cashiers》では、コンピューターミシンを用い、「近所で起こった、どこにでも起こりうる出来事」に焦点を当てながら、これからの機械と人間の関係性と失われていく職業について考察を促します。
初期の風景作品を彷彿させる新作《2018年 東京の夕暮れ》では、パンデミック前に撮った写真をもとに、変わらないようでは今はもうない日常の風景を全面刺繍で描いています。忘れゆく記憶と流れゆく記憶をテーマにした本作について、今後ライフワークとして定期的に制作していくシリーズの第一作目と青山は語っています。
また今回は、目黒区美術館でも発表した子どもたちとの共同制作によるパッチワーク作品《常識モンスターをやっつけろ!》や、そこから派生した自身初となるソフト・スカルプチャー作品など多様な表現も展開されます。
本展のタイトル「永遠なんてあるのでしょうか」は、「刺繍少年フォーエバー」の副題として付けられたものです。青山が「消えゆくものたちの小さなモニュメント」と呼ぶ、雑誌や紙幣、チラシを刺繍で再現した作品には、あらゆる情報やものが「刹那的」に消費され、急激に変容していく現代社会への問いが込められています。
ギャラリーでは5年ぶりの個展となる本展をぜひご高覧いただけましたら幸いです。
Mizuma Art Gallery(ミヅマアートギャラリー)
http://www.moriyu-gallery.com
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル
tel:03-3268-2500