EXHIBITION | TOKYO
高松次郎(Jiro Takamatsu)
「平面上の空間−無と全体性のドラマ」
<会期> 2024年9月10日(火)- 10月19日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
このたび、Yumiko Chiba Associatesでは、高松次郎の「平面上の空間」
高松次郎は、1970年代後半から展開される「平面上の空間」シリーズにおいて、「影」シリーズ以来はじめて絵画に回帰しました。この絵画シリーズを開始する以前、高松は鉄や角柱を組み合わせた立体作品である「複合体」シリーズを制作していました。
「平面上の空間」において高松は、鉄を接いだ立体物の形態や、鉄の立体にぶらさがったヒモが描く軌跡をヒントにして、絵画平面に線を引いていきます。そのため、「平面上の空間」は、彫刻から絵画への転回、あるいは絵画への回帰というよりも、立体と平面との関係を思考するものであったとも言えます。それは、文字通り、立体作品における三次元の空間と、二次元の”平面上の空間”との関係を検証するものでした。
さらに、直線や曲線が画面の上で交わり、そこから色や形を発生させる「平面上の空間」は、のちのよりドラマティックな「形」シリーズなどの絵画の誕生をを予見するものでした。
高松次郎と絵画との関わりを示す重要な作品群を、この機会にぜひご高覧ください。
高松次郎の言葉(「無と全体性のドラマ」より)
無というものは、結局のところトータリティ(=全体性)を目指しているように思う。ぼく自身、以前はキャンバスがあるということ、あるいはさまざまな物体や文字が存在するということを個別的に無化してゆく作業をしていたが、今度は逆に、トータリティを目指すことによって、無であると同時に全体であるような方向の作業だと思っている。
=中略=
『平面上の空間』もまた、フリーハンドの曲線となって黄色い線、黒い線、緑や赤の線を延々と重ね描きする。その場合、そこに色彩と形態が生まれると、それらに過去の記憶、感情、イメージなどがいろいろと絡まってくる。平面上に線や形、色彩を使うことで、人間と世界との関係の中で起こりうることを想像力によって取り組んでいくのである。
高松 次郎
*「無と全体性のドラマ」(『is』ポーラ文化研究所、第42号、1988年12月)より抜粋
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイツ)
http://ycassociates.co.jp/
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