EXHIBITION | KYOTO
黒田アキ(Aki Kuroda), 藤原康博(Yasuhiro Fujiwara), 小栁仁志(Hitoshi Koyanagi), アキ・ルミ(Aki Lumi)
「UNDULATIONISM X」
<会期> 2022年8月31日(水)- 9月17日(土)
<会場> MORI YU GALLERY
<営業時間> 12:00-18:00 月火祝休 , 9月11日(日)休廊
モリユウギャラリーは 9月17日(土)までグループ展「UNDULATIONISM Ⅹ」を開催いたしております。
「UNDULATIONISM X」
「UNDULATIONISM」。「波動」主義。「UNDULATION」とは、真っ平なものではなく、揺れており、そして絶え間なく続く。それは、「Noise(ノワーズ)」から生まれてきたのです。
黒田アキ(AKI KURODA, 1944-)は、1985年に自身が創刊した美術誌を『Noise(ノワーズ)』と名付けました。本展覧会は、そこからヒントを得たタイトルとなります。黒田アキの「Noise(ノワーズ)」は、友人であるフランスの哲学者、ミッシェル・セール(Michel Serres,1930-)による「NOISE」論から引いてきています(1985年5月発行の創刊号から1994年の18 /19合併号まで全17冊発行)。
「ノワーズ、それは古いフランス語で「諍(いさか)い」をあらわしている。バルザックはこの古仏語の語感を利用して、「美しき諍い女 la belle noiseuse」という存在を創造した。しかし、のワーズのさらに古い語感を探っていくと、異質領域から押し寄せてくる聴取不能な存在のざわめきのことを、言い当てようとしているのがわかる。不安な波音を発する海のしぶきとともに出現するヴィーナスの像などが、そのようなノワーズの典型だ。ヴィーナスは海の泡から生まれたとも言われるが、またいっぽうではその泡は男女の交合の場所にわきたつ泡だとも言われる。いずれにしても、それは世界の舞台裏からわきあがってくる不気味なざわめきにつながっている」
(中沢新一『精霊の王』 −第五章 緑したたる金春禅竹− より)
さて、「NOISE」が変化した「波動」(「UNDULATION」)は、波打ちながら、さまざまなものを取り込みつつ自らのかたちを形成していくものといえましょう。風や海水、植物、生物、光、身体に雨、プラスチックや岩といった様々な物質が、多くのものと交わりながら、巻き込み、また巻き込まれながら関係性をつくっています。それは予期せざるものとの出会い。
例えば、藤原の作品においては、山と布団が出会います。AKI LUMIにおいては、風景と羽のような何かが交わり、写真とdrawingが混じり合います。小柳においては、非常にminimalなものと、情緒的なものが混在していきます。黒田アキでは、シュルレアリスムへの記憶や過去の記憶といった内面とセルフポートレートという黒田の表面が入り混じります。
この「波動」(「UNDULATION」)によって繋がれた世界観に皆様も触れてみてください。
MORI YU GALLERY (モリユウギャラリー)
http://www.moriyu-gallery.com
京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19
tel:075-950-5230