EXHIBITION | TOKYO
田名網敬一(Keiichi Tanaami), オリバー・ペイン(Oliver Peyne)
「Perfect Cherry Blossom」
<会期> 2018年3月17日(土)- 4月28日(土)
<会場> NANZUKA
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、NANZUKAは田名網敬一とオリバー・ペインによるコラボレーション展「Perfect Cherry Blossom」を開催致します。
本展は、2017年にロサンジェルスのHammer Museumにて開催された「Hammer Project: Oliver Payne and Keiichi Tanaami」にて展示された2人のアーティストよるコラボレーション作品に、それぞれの新作を組み合わせた展覧会となります。
今回展示するコラボレーション作品は、2011年にチューリッヒのプロジェクトスペースStudioloにて開催された田名網とペインの2人展にて、ペインが発表したコラージュ作品 (古いアートブックに掲載されたギリシャ彫刻のイメージ上に日本のTVゲーム「首領蜂(ドンパチ)」からインスピレーションを得た弾幕ステッカーを貼付けたシリーズ)が元となっています。ギリシャ彫刻に代わり、田名網が描いた偶像、モンスターあるいは古代神像を思わせる人型のキャラクター上に、ペインが弾幕のステッカーを配置したもので、田名網とペインそれぞれの芸術的感性、更にはポップカルチャーに於ける歴史の融合を、一つのファンタジーの中に見ることができるシリーズと言えます。
ペインは、真の田名網ファンとして、ファンダム(ファンたちによる二次創作によってつくられた世界)のロジックを作品化する手法で、今回の作品を仕上げました。万華鏡のように広がるクラシック・ゲームの混沌とした世界は、田名網の描いたキャラクラー上を覆う幕であると同時に、各作家の根底思想の幕開けを明かしているようでもあります。鑑賞者の目は確実に各イメージを目で追い、混沌に広がる銃撃、爆弾、弾道ミサイルの配列の解読を無意識に試みるでしょう。そして、常に下方から上方へと水平に画面内を進行するという時系システムを自然と追うことによって、鑑賞者はアバターである戦闘機を自ら操作する位置に立たされているという、ペインが用意周到に仕掛けたトリックに陥っていることに気付くのです。
Hammer Museumのキュレーター Aram Moshayediは、本作品について次のように解説をしています。 「一連のコラージュ作品を通して、ペインと田名網はそれぞれの芸術的感性、欲望と消費の歴史を一つの幻覚的ファンタジーの中に融合させている。1960年代後期の日本のポップ・アートの先駆者の一人として、田名網は戦後日本の中で影響力の高い人物であり、多くの作家たちに衝撃を与えてきた。ペインもその衝撃を受けた作家の一人で、田名網と同様、作品にポップ・カルチャーの形式を採用していることからも、互いの強い関連性を見て取ることができる。その一つとして、ペインはテレビゲーム・カルチャーの特性に注目し、それらが自己完結的ではなく、社会的あるいは哲学的概念に相似していることを示唆している。斯くして、このコラボレーションは、ペインと国際的ポップ・ムーヴメントの立役者である田名網との思想交換を反映している。」
また、本展にはそれぞれのアーティストの新作を合わせて発表いたします。田名網は色彩を施したドローイング、コラージュ作品を。ペインは新作のシルクスクリーン作品を発表する予定です。
本展に寄せて、3月17日(土)18:00-20:00 にオープニングレセプションを開催致します。皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げます。
NANZUKA(ナンズカ)
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