EXHIBITION | TOKYO
ピーター・ソール(Peter Saul), エリック・パーカー(Erik Parker)
<会期> 2019年6月1日(土)- 7月6日(土)
<会場> NANZUKA
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、NANZUKAはPeter Saul とErik Parker による2人展を開催致します。Peter Saul にとって、本展覧会はその長いキャリアの中で初の日本での展覧会になります。また、Erik Parker は当ギャラリーでは2度目の展覧会になります。
Peter Saulは、1934年にカリフォルニア州サンフランシスコで生まれ、1950年から1952年までカリフォルニア美術学校で、そして1952年から1956年までセントルイスのワシントン大学で学びました。その後1964年までフランスに移住し、1964年に帰国後70年代までを通してサンフランシスコで過ごし、80年代から90年代にかけてはテキサスに移住しテキサス大学で教鞭を取りました。Saulの初の個展は、1961年にシュールレアリストのマッタ(Roberto Matta)の紹介で、シカゴのAllan FrumkinGallery にて開催されました。現在Saulは、1958年にMAD誌を参考に描いたドナルドダックやミッキーマウスを引用した漫画的なスタイルの作品の再発見によって、最初期のポップアート運動に関係するアーティストとして認識されていますが、そのカラフルで独特の作風は個人的な関心と強迫観念に忠実であることから生まれました。Saulは、しばしば歴史的な名画のサンプリングや政治家の肖像、美術史にまつわる逸話などを題材とした作品を制作しています。その作品は、多くの場合、アーティスト個人のアイロニカルなユーモア、グロテスクとされて卑下されているものへの愛情から生まれた産物であり、その半世紀以上に及ぶ創作活動において、自身は美術の主義や潮流、権威からは一貫して距離を取り続けてきました。近年、Saulの作品の重要性が再認識されるに至り、2010年に、ようやくアメリカ芸術芸術アカデミーに選出されました。また、その作品は、シカゴ美術館、ポンピドー美術館、パリ、ディ・ローザ、ロサンゼルス郡美術館、メトロポリタン美術館、ストックホルム美術館、ルートヴィヒ美術館、ケルン美術館、ニューヨーク近代美術館、ステデリック美術館、ホイットニー美術館、エール大学美術館、カーネギー美術館といった世界中の主要な公共コレクションに収蔵されています。
Peter Saul は、本展のために完成させた新作のペインティング「”Van Gogh Cuts Off His Ear」について、ユーモアを込めて次のように語っています。
「ついに、ゴッホの耳が私の作品の主題として降臨したことを、私はとても嬉しく思っている。モナリザに次いで美術史で最も有名な出来事であるにも関わらず、85歳になるまでそれは起こらなかった。もし運が良ければ、もう何度かこの主題について取り組むことができるかもしれない、と考えている。なぜなら、彼は、私の想像の中で “再生” したばかりだから。」 “I was also very pleased that Van Gogh’s ear finally occurred to me as a subject – it’s the second most famous thing in art, right after the Mona Lisa and still didn’t occur to me until almost age 85. If I’m lucky I caneventually do the subject a couple more times. He’s just got to “regrow” in my imagination.”
エリック・パーカーは1968年ドイツのシュトゥットガルトで生まれ、現在ニューヨークを拠点に活動している作家です。テキサス大学オースティン校、ニューヨーク州立大学パーチェス校で学び、2000年にMOMA PS1で開催された第1回目の「Greater New York」展に出展し、一躍脚光を浴びました。これまで、The Modern Museum of Art Fort Worth(2011)、Aldrich Contemporary ArtMuseum(2012)といった美術館で個展を開催しています。
パーカーは、自身の作品のルーツとして、例えばMAD magazineなどのアンダーグランドコミック、風刺イラスト、グラフィティなどへの関心を語っていますが、その最も重要な影響はテキサス大学オースティン校で教えを受けていたPeter Saul の存在にあります。Parkerの作品にある、自然と計算された鮮やかな色彩と多様なモチーフの混沌とした組み合わせからなる独特で幻想的な肖像画や風景画が生み出された背景には、ルールや潮流に縛られる事なく、自身の内面を鋭く深く考察することで生まれる創造性に忠実であろうとするSaul の教えが読み取れます。
本展は、Erik Parker の企画によって実現した、アーティスト同士にとって初の師弟展となります。本展のオープニングに寄せて、Peter Saul 及びSally Saul夫妻と、Erik Parkerが来日し、6月1日18:00-20:00オープニングレセプションを開催致します。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
NANZUKA(ナンズカ)
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