EXHIBITION | TOKYO
顧剣亨(Kenryou Gu)
「Dimensions Unseen」
<会期> 2024年4月6日(土)- 5月18日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、Yumiko Chiba Associatesでは、顧剣亨個展「Dimensions Unseen」を開催いたします。1994年京都生まれ、上海育ちの顧剣亨は、京都芸術大学とフランスのアルル国立高等写真美術学校で現代美術と写真を学んだあと、作家活動を開始しました。
顧は昨年、金沢21世紀美術館において、同館が若手作家を中心とした作家を紹介する展覧会シリーズ「アペルト」で個展「顧剣亨 陰/残像」を開催するなど、気鋭の作家として注目を集めています。
顧は、複数の写真画像をピクセル単位で分解し、画面上の操作により、それら複数の写真を編み込むようにして結合する「デジタルウィービング」と自らが呼ぶ手法による写真作品を発表してきました。
今回の新作個展では、顧がアイスランドを訪れた際に出会った石をもとにした作品を発表します。顧は、石の位置の座標をもとに、世界各地の友人たち16人に石の座標を送り、それぞれの居る場所から石に向かって写真を撮ることを依頼しました。その後、撮影された16のイメージは、「デジタルウィービング」によって編み込まれました。
今展では、この写真のほか、顧が撮影した石の写真や地図などによって構成されます。球体をした地球の実際と平面に配置された地図の座標とのズレをはらみながら産出される複数のイメージの断片は、画像に「デジタルウィービング」を施す顧自身の作業によってひとつの平面上に結合されることになります。ひとつの石から世界を知覚し、認識することを通して、写真表現の可能性を拡張しようとする顧の新作個展をぜひご高覧ください。
ステートメント
私たちの視覚は、この三次元的な世界を二次元の網膜像によって推定するように知覚している。このように、人間の認知は多くの物事を抽象化したり省略したりしながら、この世界の像の断片を掬い続けている。
同様に、私たちが地球を球体と捉えている一方で、平面の地図上に置換しながら認識しようとする行為は、<知覚という制限>と共存しながら思考していることの一例でもある。
今作では、世界各地にいる16人の友人に、ある石の座標を送り、それぞれ自分のいる場所からその座標に向かって写真を撮るように依頼をした。偶然にも彼らは全員、球体である地球上にいることを意識せずに、地図が指し示す水平的な方角を判断の基準としていた。
しかし実際には、地図と地球には大きなズレがあり、向いているその方角にはその石はなく、私たちは地図上で石を見失ってしまっているのだ。
顧 剣亨
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイツ)
http://ycassociates.co.jp/
東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
tel:03-6276-6731