この度、NANZUKA はNANZUKA 2Gにて、スペイン人アーティスト、ハビア・カジェハの新作個展「NO ART HERE」を開催いたします。

 

カジェハの作品は、日常生活のさまざまな出来事にちょっとした仕掛けを加えることによって、驚きとユーモアを与えるトリックに満ち溢れています。ルネ・マグリットが好きだというカジェハは、その技法を参考にしながら現代的な肖像画において再解釈しようとチャレンジをしています。色彩の変化、場面の転換、登場人物とメッセージのギャップなど、カジェハがその細部に注意深く敬意を払うポイントです。また、鑑賞者が自ずと読み出すようなストーリーの設定は、カジェハが仕掛けた罠の一つです。カジェハの作品を前にした時、私たちはそこに私たち自身の精神性と主観性が表されていることに、やがて気付かされるのです。

 

本展「NO ART HERE」は、「ここにアートはない」というプラカードを掲げた立体作品と、それに基づくインスタレーションです。一見すると自虐的な冗談とも取れる本作品ですが、実はこのテキストの存在によって、私たちは逆説的に本作品をアート作品と認識させられている、というトリックが仕掛けられています。

 

本展を皆様にご高覧いただけると幸いです。