EXHIBITION | KYOTO
五十嵐英之(Hideyuki Igarashi)
「絵の在処(ありか)-Where there is the image.-」
<会期> 2021年10月1日(金)- 10月24日(日)
<会場> MORI YU GALLERY
<営業時間> 13:00-18:00 月火祝休
モリユウギャラリーは 10 月 1 日 ( 金 ) – 10 月 24 日 ( 日 ) まで、五十嵐英之 個展「絵の在処(ありか)」-Where there is the image.- を開催いたします。
五十嵐英之(1964 年 京都生まれ)は現在、京都と岡山に活動拠点を置き、油彩画、版画、オブジェなどの制作に取り組んでいます。また長年、言語によるコミュニケーションが困難な障がいのある方との絵画を仲立ちとした描画活動の研究を 30 年間続けてきました。また故中西夏之氏とのコラボレーションを行うなど、多面的な活動を展開してきた作家です。本展は、新作油彩画作品を紹介しながら、類似する2対の絵画とオブジェとの関係性を展示空間で読みとく展覧会となります。どうぞご覧ください。
五十嵐英之の個展「絵の在処(ありか)」 “Where there is the image.” では、新作油彩画作品を出品している。類似する2点の絵画、ハーフミラーが埋め込まれたオブジェが 2 作品の間にあって、それらの関係性を読み取れるように展示されている。五十嵐の作品作りは、独自の絵の具を作ることから始まり、伝統的な油彩画技法を用いて描かれていく。
展覧会場では、置かれたオブジェのハーフミラー部分に映った絵の鏡像と透過して見える絵の実像との重なり合いの中で、新たなイメージ展開の可能性を五十嵐は示している。それは、銅版画作品の多版多色刷りのイメージ表現の構造を実空間で体験するようなものだ。ただこれらは、版画技法の構造的な魅力を視覚化しようとしているのではない。五十嵐が創る「対」の関係については、哲学的にも、精神分析学の視点からも多くの興味深い見解が提示されている。会場では、そうした研究者の多くの文章も紹介する。
ある空間で “みる” 事を確かめる行為として、絵画等を選択した。
視点や視線など様々に設定された状況を踏まえた実験と実践。特に他者同士が結んでいる視線については、特別な目的を背景に置きながら多く観察してきた。窓のブラインドのように向こうとこちらの境界を作るような空間の在り方には、絵画の画面上の課題と繋がる何かを感じずにはいられない。版画の印刷のプロセスにも版面と画面との関係に境界があり、そこに起きる様々なコトについて考えさせられる。境界という場において交伹する様々なモノやコトの在り方には、可能性が多く潜んでいると確信をもっている。
——- 五十嵐英之
MORI YU GALLERY (モリユウギャラリー)
http://www.moriyu-gallery.com
京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19
tel:075-950-5230