EXHIBITION | TOKYO
上田義彦(Yoshihiko Ueda)
「いつでも夢を・永遠要憧憬」
<会期> 2023年7月29日(土)- 8月26日(土)
<会場> TOMIO KOYAMA GALLERY
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
この度小山登美夫ギャラリーでは、写真家上田義彦の個展「
アート写真,広告写真というカテゴリーを超え、
本展では、上田の代表作の一つである、1989年秋~
【本作撮影の時代
ー80年代末の中国の「遙か感」、無心な人々と生活、生きている実感】
撮影のはじまりは、80年代末の中国。まだ小さかった北京空港から見える地平線に、上田自身「遥か感」という言葉が浮かび上がってきたというその風景は、練炭や石炭の香りや煙が立ち込め、現代の発展した姿とは異なるものでした。
毎年5、6回、中国国内を移動しながら撮影。あたたかな風景や無心にまっすぐに生きている人々を目の当たりにして、「自分もその瞬間をしっかり生きている」と実感したという、上田の旅を通しての言いしれぬ喜びが作品から静かに伝わってきます。
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「当時の中国には、そんな人間臭い風景が至る所に露出していた。何か懐かしい、そして切ない風景をあちこちに感じながら、贅沢な心の旅をしていた。次のロマンチックを、ゆっくり想像できていた奇跡の時代だった。」
(上田義彦「遥かなるサントリーウーロン茶の旅」、『いつでも夢を・永遠要憧憬』、赤々舎、2023年)
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【本出展作について
ー写真の不思議な力が写し出す、時代や場所を超えた普遍的な女性像】
紺のワンピースの少女たちが楽しげに踊る姿、夏のけだるい昼間に金魚をながめ、砂浜をゆっくり歩く女性、、
そこには時代や場所を超えた、普遍的な女性像が現れているのを感じられるでしょう。
写真の不思議な力によって、広告の意図を超えて「作品」として成立する、力強さとたおやかさを存分に発揮しています。
「自身が写真を撮るという行為において、アート、広告と分けて考えるのはナンセンス」
「こうでなくてはいけないことって、この世の中に一切ないと思うんです。絵画にしても陶芸にしても彫刻にしても、正解なんてものはない、正解について考え始めたら、どんどん型通りになってゆくしかなくなる」
と語る上田の、既成概念にとらわれず本質を写し出す、まさに真骨頂と言えるでしょう。
夏の日々に目に鮮やかに映る本作をご覧に、ぜひお越しください。
TOMIO KOYAMA GALLERY(小山登美夫ギャラリー)
http://tomiokoyamagallery.com/
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
tel:03-6434-7225