EXHIBITION | TOKYO
ジョナサン・チャプリン(Jonathan Chapline)
「Metropolis」
<会期> 2023年3月18日(土) – 4月16日(日)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 月火祝休
この度NANZUKAは、NY在住のアメリカ人アーティスト、ジョナサン・チャプリンの個展を開催いたします。本展は、チャプリンにとって2020年1月に移転前の渋谷地下スペースで開催した個展に続く二度目の展覧会になります。
アメリカで最高ランクの美術アカデミーとして位置付けられている名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(Rhode Island School of Design)を卒業したチャプリンは、デジタルテクノロジーを駆使した新たな新世代のアーティストの一人としてその将来が嘱望されています。 近年は、「Sprawl」(The Hole、Los Angeles、2022)、「Plein-Air, Herzog and de Meuron Building」(The Hole in conjunction with ICA Miam、2020)「amfAR Gala Cannes」(Hotel du Cap-Eden-Roc in Antibes、France、2020)といった展覧会プロジェクトにて脚光を浴びています。
チャプリンの作品において、「レンダリング」というコンピューター言語は、もはや美術用語として語られます。物体の形状、物体を捉える視点、物体表面の質感/テクスチャー、光源、シェーディングなど、チャプリンは自身の絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、予め3Dプログラムを駆使したコンピューターの画面上でシミュレートします。
本展「メトロポリス」は、チャプリンの建築、空間への深い関心から生まれた新しいシリーズです。チャプリンは、ル・コルビュジエの「ヴォアザン計画」(Plan Voisin)、1939年 ニューヨーク博覧会「明日の世界の建設と平和」(World of Tomorrow)、ロバート・モーゼスの 都市開発計画(urban development projects)、ポール・ルドルフの建築コンセプトLOMEX( the Lower Manhattan Expressway)、ルシオ・コスタの ブラジリア・スーパークアドラ(Brasilia Superquadra)といった20世紀半ばの未来都市建築プロジェクトへの造詣を深め、また同時に、ソフィー・タウバー=アルプ、マレーヴィチのシュプレマティズムの画家たちを研究し、彼らの視覚認識に関する論理、構図やイメージを決定する手法を研究してきました。
3Dソフトを用いて構築されたチャプリンの新作ペインティングは、建築物を解体することで、特定の機能から解放された構造体の集合体として描かれています、そこでは、全ての要素が、無重力という美学的な力を持って生まれ変わります。デジタル空間の中において、都市は自由に可変的であり、都市のようでいて、そうではありません。またオブジェクト、モニュメント、空間のディテールを取り除かれたその景色は、より均一で本質的です。
こうして完成した絵画作品は、アル・ヘルドのペインティングやオスカー・ニーマイヤーのCathedral of Brasilia、磯崎新の「空中都市」、水道やコロセウムといった古代ローマ建築からの影響関係を読み取ることができますが、チャプリンのデジタル都市風景は、都市が本質的に持ち合わせている機能を視覚的に顕とし、また高度に文明化されていく現代の空間が持つ潜在的な機能美を映し出そうとします。
また、本展では、チャプリンが長い構想期間と複雑な製作工程をかけて完成させた大掛かりなブロンズ製の噴水を発表いたします。こうした立体作品への執着は、現代都市空間における立体美術作品の存在意義に大きな啓示を与えてきたルイーズ・ネヴェルソン、ブランクーシ、ジャック・リプシッツといったアーティストたちが残した文脈に基づいています。
本展のオープニング・レセプションは、アーティストを囲んで、3月17日(金) 17:00 – 19:00 に神宮前NANZUKA UNDERGROUNDにて開催致します。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877