EXHIBITION | TOKYO
渡辺泰子(Yasuko Watanabe)
「A MAP THEY COULD ALLUNDERSTAND. 」
<会期> 2022年7月8日(金)- 8月27日(土)
<会場> Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
<営業時間> 12:00-18:00 日月祝休 *2022年8月11日(木・祝)- 8月17日(水)の間は休廊致します。
Yumiko Chiba Associates では、渡辺泰子の個展を開催いたします。本展は、フェルト、紙、写真、映像などの複数のメデ ィアを使い、活動を展開してきた渡辺の、当スペースでは初の個展となります。
渡辺は、旅や地図を出発点として、境界や距離、移動や越境といった問題に関心を寄せ、身体的・物理的な次元と空間的・認 識論的な次元が交錯する作品を手がけてきました。ごく単純な作品の現れをもちながら、複数のスケールが重層・拡張し、距 離や方向の感覚がダイナミックに反転する渡辺の作品は、それ自体が「旅」の経験を結晶させたような、境界や場所の動的な 揺らぎと空間的な越境可能性をたたえています。
本展では、折り紙の「だまし舟」をモチーフにしたハンドメイドフェルトによる作品や、写真を素材とする作品などを発表 します。なお、本展は、「五島記念文化賞美術新人賞」における成果発表展として、東急財団(旧:五島記念文化財団)よ り助成を受け実施されます。
A MAP THEY COULD ALL UNDERSTAND.
コンセプトシート
– だまし舟
私は自分の舳先をコントロールすることはできない。
– 山折り、谷折り
実線ではない彼らによって大地に折り目がつき、風景が生まれ、地図になる。
Mountain fold [ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ]
Valley fold [ ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー ]
– Spectrum
連続帯、範囲。境界のあり方として自立したグラデーション領域。
名指されぬよう、そして名指せぬ自分を受け入れるために、擬態するように移り変わる自分を受け入れる方法。
– 杖
ここではないどこかへ行く。ここにいられなくなったからあの風景の先を目指す。
– 見つからない・見つけたい・迷うしかない
真っ白な地図を見ながら航海を続ける私は、いつのまにか変わっている舳先の向きを変えるのが目の前の君(複数形)であってほしいとどこかで願っている。それが君(複数形)であれば舟は永遠に大きさを変化させ、航海を続けることができる。それほど素晴らしいことはない。
Yasuko Watanabe
ステートメント
A MAP THEY COULD ALL UNDERSTAND.
本展は、白地図から出発した旅のその後の旅、だまし舟での旅、これからも出現し続けるであろう軌跡と行先を手繰り寄せる、地図をめぐる展示となっています。
五島記念文化賞美術新人賞の海外研修における帰国成果展としての今回の個展では、私がどんな旅をしてきたのか、そしてどんな地図を使用したのかをテーマに構成しています。
かつての2012年、私は、ルイス・キャロルのナンセンス小説、「スナーク狩り」に登場する地図ーーーそれは姿形も、どこにいるかもわからない怪物、スナークを探すためのものーーー、何も指し示さない、真っ白な白地図をつくりました。
その白地図を頼りにずっと旅を続けてきた私は、その後、海外研修の機会を得て、目的地としてアメリカとイギリスを選び、2018 年から1年間5つのタイムゾーンを越えながらの新しい旅をしました。
Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku(ユミコチバアソシエイツビューイングルーム新宿)
http://ycassociates.co.jp/
東京都新宿区西新宿4-32-6 パークグレース新宿 #206
tel:03-6276-6731