EXHIBITION | TOKYO
江口綾音(Ayane Eguchi)
「分解するQ」
<会期> 2022年6月1日(土)- 6月25日(土)
<会場> Mizuma Art Gallery
<営業時間> 12:00-18:00 日月祝休
ミヅマアートギャラリーでは6月1日(水)より江口綾音によるミヅマアートギャラリーでは初となる個展「分解するQ」を開催いたします。
江口はこの世界に存在する愛らしさと不気味さ、生と死という言語的に相反するそれらの調和をテーマに制作を続けています。
彩度の高い色彩で描かれる江口の絵画には、クマの「ぬいぐるみ」のような可愛らしい生き物、カラフルなキノコなど空想世界のような不思議な風景が描かれています。しかしその細部には彼らの血肉が表現され、描かれるその世界はまさに私たちの生きる矛盾に溢れた世界と同じであると気づかされるのです。
本展覧会は新作の九相図を中心に構成されます。
九相図とは屋外に置かれた死体が朽ちていく過程を9つに分けて描かれる仏教絵画。女人禁制の仏僧が修行の過程で煩悩に惑わされないよう、美しい女性の朽ちていく様を表し、肉体の不浄/無常を説くためのものであったというものです。
九相を不浄として扱うのでなく、違ったように捉えたいと語る江口は一般的にネガティブなものとして考えられがちな「死」を「生のための死」とポジティブに変換し描いています。
作家コメント
“今回の九相図はきのこで溢れている。
「火葬」「水葬」「鳥葬」「風葬」。世界各地には、文化や慣習によって様々な葬り方がある。私は今回の九相図を描くにあたり、きのこが肉体を分解していくイメージを持っていた。「きのこ葬」だ。きのこは分解力が高く、植物や動物の遺体、石油、プラスチック等様々なものを分解できる。
展覧会タイトルの「分解するQ」はきのこが肉体を分解するという物理的なイメージ、死のネガティブなイメージを分解して、ポジティブなものに生まれ変わる思考上で起こる分解。そして分解されていくQは九相図の9であり、「死」という直面するまで想像するしかない永遠の問い(Question)のQである。あと、このQの形がきのこっぽいと思ったのだ。”
生と死、愛らしさと不気味さなど相反しながらも共存しているこの世界を観想しキャンバスに向かい表現する江口綾音の世界「分解するQ」をぜひ会場でご高覧いただけますと幸いです。
Mizuma Art Gallery(ミヅマアートギャラリー)
https://mizuma-art.co.jp/
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
tel:03-3268-2500