EXHIBITION | TOKYO
藤本由紀夫(Yukio Fujimoto)
「BLOOM’S BROOM」
<会期> 2024年10月26日(土)- 11月22日(金)
<会場> ShugoArts
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
*Art Week Tokyo会期中 特別開廊:11月7日(木)- 11月10日(日) 10:00-18:00
ジェイムス・ジョイスの「ユリシリーズ」でレオポルド・ブルームは、ダブリン市内をいつもぶらついている。
帚で地面や床を履くと、サッサッと音をたてる。
地面や床はレコード盤であり、帚はレコード針なのだ。
地球は大きなレコードで、
我々は毎日、レコード針である両足で音を引き出しているのである。
2024年9月 藤本 由紀夫
シュウゴアーツでは2020年のオンラインショーから4年ぶりとなる藤本由紀夫の個展を開催いたします。今展ではギャラリーに800枚の素焼きタイルを敷き詰め、BROOM(TILE)を発表いたします。この作品は観客がタイルの上を自ら歩き、その重みで徐々にタイルが音をたてひび割れていく過程により成立します。私たちの身体はレコード盤に吸い寄せられる針のように、常に重力によって地球の表層に触れ、摩擦や振動によってさまざまな音を生じさせています。タイルの作品は2002年にイギリス西南部にある窯元の街、セント・アイヴィスのギャラリーで発表され、その後西宮史大谷記念美術館、美濃を舞台にした「土から生える」アートプロジェクトなど様々な場所で形を変えて制作されてきました。東京では初めての発表となり、ご来場の皆様に作品に参加して頂ける貴重な機会となります。
また今展では藤本が長年制作をつづける「SUGAR」シリーズの新作も発表いたします。SUGARは角砂糖をガラスのチューブに詰め、回転させることによって徐々に砂糖がぶつかり合って崩れ、最後は真っ白な粒状の姿へと変化します。
藤本由紀夫は2メートル近い人工耳を通して周囲の環境や空間そのものを聴くための「CHAIR WITH EARS」や溝のないレコードに貼られたラベルを視覚的に認知することで頭のなかで音楽を再生する「DELETE」など、80年代より私たちの知覚に新しい感覚を引き起こす活動を続けてきました。今展では重力や回転力という目に見えない自然の力によってレディメイドの人工物が別の姿へ変容していく様から、私たちが日常と捉えている事物のあり方に問いかけます。ぜひ会場にて作品をご体験ください。
2024年9月 シュウゴアーツ
ShugoArts (シュウゴアーツ)
https://shugoarts.com/
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
tel:03-6447-2234