EXHIBITION | TOKYO
木下佳通代(Kazuyo Kinoshita), 沢居曜子(Yoko Sawai), 辰野登恵子(Toeko Tatsuno)
「70年代-不毛なもの、その先に」
<会期> 2024年10月29日(火)- 12月26日(木)
<会場> Yumiko Chiba Associates
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
この度、Yumiko Chiba Associates では、「木下佳通代、沢居曜子、辰野登恵子|70 年代-不毛なもの、その先に」を開催致します。
本展は、木下佳通代(1939‒1994)、沢居曜子(1949‒)、辰野登恵子(1950‒2014)の1970年代の活動に焦点をあてます。彼女たちは、女性の社会進出がいまだ困難だった70年代に、時代を先駆け実験精神に富むコンセプチュアルな表現に取り組んだ数少ない女性のアーティストたちです。
70年代前半、木下は写真や映像を用いて、ものの存在と認識の関係、時間や次元といった不可視の世界を、「ずれ」という視点によって顕在化させました。70年代後半は、写真を用いながら、平面上で実像の不確かさを問い、「見ること」について鑑賞者に気づきを与える作品を多様に展開していきます。
沢居は、70年代前半は「ものによる美術」に取り組みます。角材、鉛板、蛍光管、新聞紙など異質なもの同士の出会いによって空間を変容させる展示をいくつも手がけました。70年代半ばからは平面作品に転じ、カッターナイフで紙に細かな切り込みを入れ、そこに直交するようにコンテを引いて線を浮かび上がらせ、絵画とオブジェの境界を問う作品を制作します。
辰野は、70年代初頭から、版画による様々な表現に取り組みます。当時新しい技術だったシルクスクリーンを用い、ノートの罫線やグリッド、ドット、タイルなど規則だったミニマルな形を用いながらも、版を重ねて「ずれ」を作り出し、さらにフリーハンドの線を加えるなど、ミニマリズムとは一線を画す独自の表現を生み出します。
80年代以後、木下と辰野は油彩による色彩豊かな大型の抽象絵画へと転じ、沢居は10年間ほど静s買うと発表を中断します。
木下は沢居と辰野より10年程年長ですが、彼女たちは、同時代に活躍したというだけでなく、公私にわたって、それぞれ深いつながりがありました。
男性の批評家とアーティストたちが多数を占めていた 70 年代の現代美術シーンの中で、彼女たちが出会い、時に連帯し、励まし合いながら、個々に試みた実験的で独創的な作品をご紹介します。
*本展開催にあたり、東京国立近代美術館研究補佐員小川綾子氏に多大なるご協力をいただきました。
ここに深く感謝申し上げます。
Yumiko Chiba Associates (ユミコチバアソシエイツ)
http://ycassociates.co.jp/
東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
tel:03-6276-6731